260話 ページ16
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振り向いてもらいたかった
今よりもっと近くなって
色んな話がしたくて
笑って欲しくて
鳴「………………どっちがいい?」
でも好きになった人はそれを望んでいないかもしれない
これ以上はないと境界線ができてしまったような
そんな気がしてしまった
実際はそんなことは微塵もありえないのに
見事にちょっとだけすれ違ってしまったとも言える
A「どっちって……」
友達か、それとも友達以上の特別な存在か
Aがどちらかを選べば
その通りの関係になる
Aが友達でいたいと望むのなら
この気持ちは最初からなかったものにする…が
そんなことが今更出来るのかはイマイチ分からない
A「友達以外に……何があるの?」
近づいたかと思えば離れて
拗れていく
恋というのは単純なものではない
どこにも答えが存在しないもの
鳴「俺は……」
言ってしまえば二度と引き返せない
今まで築き上げてきたものが
一気に崩れてしまうかもしれない
それでも伝えたいものがある
引き返せなくなっても、崩れてしまっても
また元に戻していけばいい
友達じゃない、友達以上の存在
意を決して本当の気持ちを声に出しかけた
「なんだ、帰ってたんじゃん」
何かが変わりかけていた時
それらを阻むかのように
横からどこかで聞いたような声が割って入った
突然のことに驚いたAと鳴はほぼ同時に声の聞こえた方向に目を向ける
声が聞こえた方向はAの家
まるで2人を見下ろすように玄関先にいたのは…………
「帰ってるなら帰ったって言ってよ」
ところどころが跳ねてウェーブのかかったセンター分けヘアに
スラリとしたスタイル
パッチリとした二重に大人びた顔立ち
どこからどう見てもこの男は──
鳴「お前、この間の…」
あの時、Aを迎えに来たと言っていた
嶺伽高校の謎のイケメン男子
謎のイケメン男子はゆっくりと歩いてこちらに向かってきたかと思えば
にっこりと鳴に微笑みかけ、流れるようにAの腕を掴んだ
A「千遼……」
千遼と呼ばれた男はAの頭にポンと手を置くと
態度を変えた
千遼「お前、誰?」
鳴「はぁ?」
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みこ(プロフ) - 初めまして!途中から号泣しつつ、焦ったくてソワソワしてました(*_*)更新楽しみにしてます! (6月3日 23時) (レス) id: f5c0cfc27f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2022年8月11日 5時