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258話 ページ14











この気持ちを自覚した時

身が竦みそうな、そんな思いでいっぱいだった

嬉しいようで嬉しくない

できればない方がよかったかもしれない思い

好きになるのならこんな人を好きになってみたい

そうは思ったものの、いざ現実になると息が詰まりそうで

















A「(受け入れられるか振られるかじゃない)」

A「(もし、この気持ちを伝えたらどうなってしまうんだろう)」















初めて会話をしたあの瞬間は

今では忘れられないものになった

同じクラスになって、隣の席になって

最初はどこかぎごちない会話で始まって

手紙で話をして、笑い合うようになって

いつの間にか全てが当然のことになっていた

だからこそ

受け入れられるか、振られるか以前に

馬鹿正直に自分の気持ちを伝えた時

あるいはつい口を滑らせ気持ちを漏らしてしまった時

今まであったこと全てが

少しずつ積み重ねられたこの心地いい関係が

崩れ去ってしまうんじゃないかと怖くなった

















A「(伝えたくない、壊れたくないって思うのに)」

A「(どうしてなんだろう)」
















ドラマや映画の中で見た切ない物語

初恋というものは大抵の場合実ることはない

どこかの誰かに生まれて初めて好きになった人が取られ

主人公は涙を流し、そこに現れた誰かを好きになる

今まで何百回何千回と見た苦い話


















A「(どうすればいいんだろう)」
















関われば関わるほど好きになっていくのだろう

それくらいはわかる

頑張ってブレーキをかけられるほど単純なものではない

壊れてしまうくらいなら気持ちは伝えたくないと

そう思っているはずなのに

気持ちはより鮮明に、強くなっていく矛盾

好きという気持ちを上手く誤魔化せるほどAは器用ではない
















鳴「Aちゃんどうしたの?」

A「え……?」

鳴「涙、出てるよ」













何もかもがわからなかった

どうしたらいいのか

なかったことにすればいいのか

伝えるべきなのか

色んなことが一気に波のように強く押し寄せて

混ざっては溶けて絡んでいく

戸惑いだけでは片付けられない複雑な感情

それを証明するかのように無意識のうちに頬が涙で濡れていた


















A「これは……その……」













生まれて初めて特別な存在の男の子を好きになる

本来なら心の底から嬉しいことのはずなのに

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設定タグ:ダイヤのA , 成宮鳴   
作品ジャンル:アニメ
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みこ(プロフ) - 初めまして!途中から号泣しつつ、焦ったくてソワソワしてました(*_*)更新楽しみにしてます! (6月3日 23時) (レス) id: f5c0cfc27f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちあき | 作成日時:2022年8月11日 5時

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