No.1 ページ2
わたしは名無しの権兵衛。ジョン・ドゥ。ネームレス
名前もないが記憶もない
わたしは自分で自分が分からない
気付いたら知らない土地のゴミ山に立っていた
それ以前の経歴など何一つ思い出せず、自分がどこから来たのか何故ゴミ山に立っていたのかすら分からなかった
端的に言うと、記憶喪失
本当の名前も、記憶もない
とりあえず自分のことは【
『わたしの本当の名前…なんだっけ』
素足で街を歩く
すれ違う人は皆わたしを見て驚いたかと思うと、数瞬後には興味を失ったかのように何処かへと歩いていった
『ここが、ナイトレイブンカレッジ』
麓の街を抜け大きな大きなお城へと辿り着く
目の前にはこれまた大きな鉄柵。学園の正門
……何となく、ここに来なければと思ったのだ
『ふ、ふふ、ふふふふふ…』
記憶のないわたしが行きたいと思った場所ならば、ここに手掛かりがあるのかもしれない
もしかしたら記憶を無くす前はここの生徒だったのかも
わたしは本当の自分に一歩近付いた気持ちになって嬉しくて笑いを零す
と、その時
「ちょっとキミ」
赤い髪の男の子に声を掛けられた
わたしはびっくりして肩を揺らす
『な、なに…？』
「学園は部外者は立ち入り禁止だよ。今日は一般公開日でもないし、学校の見学はまた今度にするといい」
『ふぅん…』
今日は入れてもらえないのか
わたしはここの生徒じゃないから
『(……でも)』
胸の内で独りごちる
『(わたしがここの生徒じゃないから学園に入れないというのなら)』
＿＿＿わたしが学園の生徒になればいい
そうすれば堂々と学校を闊歩できるし記憶の手掛かりも掴める
ふふ、我ながらナイスアイディア
「気を付けて帰るように。最近海に隕石が落ちて世の中騒然としてるし」
赤髪の男の子が踵を返した
わたしはその隙を狙って魔力を練り上げる
グニャリと姿かたちが変貌する
身につけていた物も顔も背丈も全てが変わってく
綺麗な制服に身を包む
裸足だった足には革靴、腕にはハートの腕章が
「ん？あれ、キミ…」
『失礼します！』
赤髪の生徒の横を足早に通り過ぎる
『ふふ…』
さぁ、わたしの楽しい学園生活の始まりだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらげ - コメント失礼します！2シリーズ続いて読みました。なんか伏線とか伏線回収とか綺麗すぎて五芳星とか厄災とかもうほんとにすごかったです！次回作が作られたら速攻で見ます！これからも頑張ってください！！ (12月3日 10時) (
レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
サカ - 初コメ失礼します！全部一気読みしてしまいました。すごく素敵な物語だと思います!!!!今まで読んだ中で1番好きです (2023年1月22日 22時) (レス) @page50 id: 0270587d36 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 初コメ失礼します！！この前の小説も今回もとても素敵なお話でした！初めて夢小説で泣きました(T ^ T)これからも更新頑張ってください！ (2022年9月25日 12時) (レス) @page50 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 初コメ失礼します！！！！！とりあえず神作をありがとうございます:( ;´ཫ`;):シリーズ一気読みして何度泣いたことか…感動やばいですコレ…こんなに泣いたのは久しぶりですwこれからも投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年11月12日 13時) (レス) @page50 id: d86b6fe909 (このIDを非表示/違反報告)
次亜鉛素酸 - 一気読みを今更させていただきました。伏線やら何やらもう神ですね(語彙力)もうコメントをご覧になっていないと思いますが、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2021年10月26日 1時) (レス) @page50 id: 1c5b1c4456 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年12月25日 18時
