No.16 ページ18
(監督生side)
「その前に僕達がここにいる理由を話すとしましょう」
暫しの沈黙を破ったのはジェイド先輩だった
そういえば、先輩達はなんでここに…
「僕は興味本位で付いてきただけの付き添い人です」
「そう、アズールは部外者。当事者はオレとジェイドとベタちゃん先輩ね」
「は、はぁ…」
その三人の話がどう不審者に繋がるのやらと首を傾げた
「数日前、たまたま学園に立ち寄ったアタシは廊下でジェイドと会ったから少し立ち話をしたの」
話し出したのはヴィル先輩
実習で忙しいのに学園に寄ったのは、お墓参りのついでだろうか
「同じ日、オレは……イモガイちゃんの部屋の前でジェイドと昔話したんだけど…」
フロイド先輩が言いにくそうにそう話を継いだ
イモガイちゃんの部屋。それは学園で一番陽のあたる暖かい部屋のことだ
先輩が最期の時を過ごした部屋でもある
「ですが僕にはそんな記憶はありません
…その日、ヴィルさんと廊下で立ち話したり、フロイドとあの部屋の前で会ったりなど、僕は絶対にしていないんです」
ジェイド先輩が緊張した面持ちでそう告げた
「え、じゃあ…」
＿＿＿二人が会ったジェイド先輩は、誰だったの
背中がゾワッとした
肩が震える
「同日、俺は学園で一人の生徒に声をかけた。初めて見る顔だった
生徒の名前と顔は一通り覚えている俺が、初めて見る顔
不審に思って名を尋ねると、奴はこう答えた」
クルーウェル先生がゆっくり語り聞かせるように言葉を紡ぐ
私とグリムはゴクリと生唾を飲み込んだ
「＿＿＿＿
ネモ……？
「(それって…)」
聞いたことのある名前に私はハッと息を呑んだ
＿＿＿うふ、ふふふ、……ネモです。わたしはネモ
数日前、グリムがぶつかった相手を思い出す
彼は確か名前を尋ねるとそう答えたはずだ
「ネモなんて名前の生徒うちには居ない。俺はその不審者を追ったが、まんまと逃げられた
それから奴の顔は一度も見かけていない」
先生がそこで話を区切ると、沈黙を守っていたアズール先輩が口を開いた
「最近妙な噂が出回っています。ご存知ですか」
「噂…？いいえ」
私は首を振る
「なんでも「自分がもう一人いる」とかなんとか。己のドッペルゲンガーを見たという噂が最近出回っていましてね」
先輩が眼鏡を指で押し上げた
徐々に話が繋がってくる
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くらげ - コメント失礼します！2シリーズ続いて読みました。なんか伏線とか伏線回収とか綺麗すぎて五芳星とか厄災とかもうほんとにすごかったです！次回作が作られたら速攻で見ます！これからも頑張ってください！！ (12月3日 10時) (
レス) @page50 id: 09404ca91f (このIDを非表示/違反報告)
サカ - 初コメ失礼します！全部一気読みしてしまいました。すごく素敵な物語だと思います!!!!今まで読んだ中で1番好きです (2023年1月22日 22時) (レス) @page50 id: 0270587d36 (このIDを非表示/違反報告)
やぎ - 初コメ失礼します！！この前の小説も今回もとても素敵なお話でした！初めて夢小説で泣きました(T ^ T)これからも更新頑張ってください！ (2022年9月25日 12時) (レス) @page50 id: c3ead30411 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - 初コメ失礼します！！！！！とりあえず神作をありがとうございます:( ;´ཫ`;):シリーズ一気読みして何度泣いたことか…感動やばいですコレ…こんなに泣いたのは久しぶりですwこれからも投稿頑張ってください！応援してます！ (2021年11月12日 13時) (レス) @page50 id: d86b6fe909 (このIDを非表示/違反報告)
次亜鉛素酸 - 一気読みを今更させていただきました。伏線やら何やらもう神ですね(語彙力)もうコメントをご覧になっていないと思いますが、素晴らしい作品をありがとうございました。 (2021年10月26日 1時) (レス) @page50 id: 1c5b1c4456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年12月25日 18時
