第3の呪い ページ4
『！…！！』
「は？ あっちょっと！！」
朝食を食べ終わるや否や元気に駆け出して行ったA
食べていた食器はどこからともなく現れたゴースト達が片付けて、当の本人はお気に入りの"足"で舞うように食堂を出ていく
彼女がゴーストの他にも妖精や動物に好かれる体質なのは、海にいた頃から魚に愛されていたのを見ていたので慣れている
NRCの入学に伴って手に入れた足も大のお気に入りで、走ったり踊ったりするのが彼女のデフォ
だが周りの僕らの苦労も少しは知って欲しいものだ
冒険心が強過ぎるのも考えもの
気付いたら突拍子の無い場所に迷い込んでいるからこちらがヒヤヒヤするのだ
「見事に振り回されてますねアズール」
「やっぱA好きだなァ
なんだっけ。"おもしれー女"？ってやつ」
あれこれ好き勝手に喋る双子を置いて、残りのおかずを頬張って僕も彼女の後を追った
もちろんゴーストが僕のトレーを片付けてくれる訳でもないので、自分で返却口に食器を返した後でだ
「全く…！どこに行ったあの女は…！！」
食堂を出て周りを見渡す
だが既に少女の姿はない
足が速いのもいただけないな
「はァ……」
暫く周辺を右往左往するが一向に見つかる気配もなく肩を落とす
授業の時間も近いので、大人しく諦めて一旦オクタヴィネル寮へと戻ることにした
＿＿＿＿オクタヴィネル寮/ モストロ･ラウンジ
一旦寮に戻り教科書の準備をすると、僕はラウンジ内のVIPルームへと足を運んだ
重厚な扉を開ける
もちろん中には誰も居ない
＿＿＿＿キィィ…
無人を確認して部屋の奥にある金庫を開けた
「……」
中にはこれまで交わした契約書の束
その束の中で
「……あなたの声を貰う代わりに、僕を一生コキ使える権利をあげます
どうです？悪くない話でしょう？」
かつて少女に放った言葉をポツリと呟く
そして一番下に書かれた意外と達筆な少女の名前を指でなぞった
A･エイリル
可哀想な、哀れな僕の幼馴染
美しい声を失った上に、いつまでも僕なんかに人生を縛られて
あぁなんて馬鹿な女なんだ。あなたという人は
「……さて、行きますか」
契約書を金庫に戻し立ち上がる
今日も無事あの日のままの契約書を確認できて安心した
彼女に…Aに声なんて似合わない
ほの暗い感情が僕の心を満たしていった
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瑠璃(プロフ) - 軽い気持ちで、寝る前に読んでたら泣きすぎてヤバかったです。バットかと思ったらちゃんとその後もあって救われました。良い作品ありがとうございました！ (2月1日 1時) (
レス) id: 7cf0957e0e (このIDを非表示/違反報告)
だいふく - 久しぶりに感動しました！期末テスト明けだったのでめっっちゃメンタルが回復しました！ありがとうございました！ (9月6日 23時) (レス) @page50 id: 9426ee414d (このIDを非表示/違反報告)
ふふ - 全私が泣いたッッッ!!!もう1リットルくらい涙流した…。もうお゛しあ゛わぜにッッッ!!!!! (6月11日 9時) (レス) @page50 id: bc020e7b09 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 泣いた。好きいいいいいい ハピエンで終わらせてくれないところがさあああああ (2022年10月29日 23時) (レス) @page50 id: 546cca6b35 (このIDを非表示/違反報告)
春の夜 - ほんと好きです(ごいりょくそうしつ) 貴方様の美しい地獄にはいつも胸を刺されます。 (2022年9月4日 18時) (レス) @page49 id: fac8821556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年11月13日 18時
