第292夜 ページ9
(セドリックside)
キングズリーさんとAがその場を去った後、僕達は気まずい空気のまま居間へと場所を移した
「ブラック！貴方の態度は目に余ります！」
扉を閉めるや否やマクゴナガル先生が激昂したようにシリウス･ブラックに詰め寄る
けれど彼は意に介した様子もなく先生の口撃を適当に流した
それにしても冤罪とはいえ、一時は世を震撼させた指名手配犯が同じ空間にいるって変な感じだな…
「ルーピン先生…彼とAのお父さんの間に何があったんです？」
「もう私は先生ではないよセドリック」
困ったように笑う先生に僕は「すみません…」と返す
「何があった、か
スリザリンとグリフィンドール。そもそもの性格が合わなかったのも一つだが…」
アトラス･ヘルエレガルはルーピン先生達の3つ上の代らしい
先生たちが入学した頃には既にアトラスの絶対的なカリスマのもと、スリザリンが一斉を風靡していたそうだ
「シリウスもジェームズ…ハリーのお父さんも、負けず嫌いだから絶対に言わなかったけど、あんなに敵わないと思った相手は初めてだっただろうね」
未来溢れるヘルエレガルの跡継ぎ
将来を期待された鬼才
流石Aの父と言ったところだ
だがAと違うのは、その思想の激しさだった
「アトラスは彼の懐に入った者からすればかなり理想的なリーダーだった
しかし彼は根っからの純血主義者だ。学生時代、彼は幾人ものマグル生まれをホグワーツから追放してきた」
「いじめ、ですか…？」
「いじめなんてもんじゃないさ。陰湿な嫌がらせの方がまだマシだ」
詳しい手法は知らないがね、とルーピン先生が続ける
「頭角を表していたマグル生まれの魔法使い達が、ある日突然「学校を辞める」と自分から言い出すんだ
それまで謳歌していた青春を投げ出し、彼らは皆絶望した表情で、ホグワーツを出ていくと」
未だ言い争う二人に視線を戻す
そこにキングズリーさんが戻ってきて、引き摺っていた神の杖を壁に立て掛けていた
「ダンブルドアの働きかけで退学を免れた生徒もいるがね。シリウスもその一人さ」
「え」
ブラック家が問題児息子の退学に抗議するはずもなく、なんとシリウスは退学まで秒読みの危うい所まで行ったらしい
「シリウスがヘルエレガルを嫌う…いやあれはもう憎むだな…のも仕方ないんだよ」
複雑な関係に眉を寄せる
でもAはアトラスとは違うのに、と僕はなんだかモヤモヤしたのだった
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雪乃 - 面白すぎて一気に読んでしまいました…！！話の展開にとてもワクワクしてます！！更新応援してます！ (2021年12月17日 0時) (
レス) id: c79f44231f (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - アロンさん» ありがとうございます…(T_T) 更新頑張ります！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 卵のたまごさん» ありがとおぉおおおぉおお！！！！ (2021年12月15日 4時) (レス) id: c7287fd7d7 (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです！！更新待ってます！頑張ってください！ (2021年12月12日 19時) (レス) id: ed0e3e5242 (このIDを非表示/違反報告)
卵のたまご(プロフ) - 好きだぁぁぁぁぁぁぁ…！！！ (2021年12月7日 22時) (レス) id: d5144cc3f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2021年9月12日 16時
