第190夜 ページ4
セドリックとダイアゴン横丁に出かけたり、ロンドンを軽く散歩したりなど、休日というものを久しぶりに体感した、その夜
「A、おいで」
『……はぁい』
自室で明日からの日程を確認していると部屋に来た父様に呼ばれた
その顔は一見いつも通りだがどこか緊張しているようにも見える
資料を机に置き、先に部屋を出た父の背中をのんびりと追った
.
.
「もう知っていると思うが、私達は
書斎の机にもたれかかった父様が簡潔に述べた
隣の母様は行儀良く手を前に回し佇んでいる
『まぁ、うん……知ってたけど』
特に驚きもなくそう返す
漸く両親の口から闇陣営であることを明かされた今の気持ちは、不思議なくらいに凪いでいた
「だろうな
私はこれまで帝王が復活した後の事だけを考えて動いてきた
政治、経済は最早私のコントロール下といっても過言ではない
我が君が復活されれば、ヨーロッパは直ぐに帝王の手中に収まるだろう」
上を獲ってしまえば下はすぐだ
国の中心を牛耳るのとそうでないのでは、明らかに動きやすさが違う
父様もそれを分かっててこの14年間を過ごしたのだ
「お前を厳しく育てたのも帝王のためだ
神の杖を扱い、才能も申し分ない
まさに帝王に仕えるに相応しい人材
だが____ 」
『____僕は死喰い人にはならないよ』
「……あぁ、そう言うと思った」
はっきりと断りを入れると、父様も分かってたようにすんなり頷いた
母様は拗ねたように口を尖らせている
『意外。もっと無理強いするかと思った』
「帝王が望まれるのは従順なる下僕。今のような駄々っ子では駄目だ」
ムッと父様を睥睨するがそれは軽く笑って流された
「お前が帝王に従う日は必ず来る。それまで私達は気長に待つとしよう
お前も好きなように過ごすといい」
『そんな日は一生来ないよ』
プイッと顔を逸らし、反抗の意を示す
だがそれも無視され、父は構わず話を続けた
「マグルも、突然変異で偶然魔法を使えるようになっただけのマグル生まれも等しく憎らしい
奴らと一緒くたにされる屈辱を、お前もいつか理解するだろう」
「そうよAちゃん! マグルなんて百害あって一利なしなんだから!」
憤慨して母が声を上げる
それを僕は目を伏せて視界から追い出した
「明日の準備をしなさい。跡取りとして、手を抜く事がないように」
短く返事をして僕は書斎を後にした
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三隣亡 - とても面白いです!!これからも頑張ってください!続きを楽しみにしてます! (2020年12月3日 10時) (レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ニノココ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ニノココ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(キュン) なうでハリポタ見てます!来週ももちろんみます!笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります!もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニノココ | 作成日時:2020年7月4日 18時