第189夜 ページ3
8月 夏休み
イギリス ロンドン某所 ヘルエレガル邸
僕は服や髪を軽く整えながら廊下を足早に通り過ぎてリビングの扉を開けた
『よかった、間に合った…』
壁掛け時計に目をやると約束の時間の1分前
ギリギリとはいえ、何とか客人を出迎える体勢を整える事が出来た
達成感から顔が綻ぶ
と同時に、目の前の暖炉が薪も無い状態から轟々と燃え盛った
『いらっしゃい、セドリック』
「久しぶりだねA」
暖炉から出てきたのは私服に身を包んだセドリック
出迎えの挨拶と共に僕達は軽くハグを交わした
彼も慣れたようにそれに応えると、僕達以外には誰もいない部屋を見渡しながら感心したように続ける
「分かってたけどすごいな…高そうなものがたくさん……
壊さないように気をつけないと」
『はは、そんなに畏まらないで
それより、わざわざ家まで来てくれてありがとうね』
「大丈夫だよ、A忙しいみたいだし」
自分の目の下をトントンと軽く叩いてみせたセドリックに「眠れないのかい」と聞かれる
『まぁちょっとね…今もやっと仕事が一段落したところ
明日以降も父様に付いて視察に行かないとだし…』
ため息をつくとセドリックが首を傾げて尋ねた
「視察？ なんの？」
『クィディッチ･ワールドカップだよ
ほら、2週間後にイギリスであるでしょ？』
「もちろんそれは知ってるよ！
……え、でもそんなに前から現地に？」
立っているのもなんなので革張りのソファーに座るように促し、自分も彼の手前に腰をかけた
『一足先にお偉いさん達と楽しくお食事ってやつ
そのために食事トレーニングはしなきゃだし、話題を考えなきゃだし
参ったなぁ……』
自分で決めた事とはいえ、嫌なものは嫌だ
しかしワールドカップという滅多にないイベントで学ぶ事も多いし、お歴々とのコネクションを拡げるには申し分ない
これからの為にも自分の顔を広めておきたいし
「大変そうだね
…でもそっか、君もワールドカップに行くならまた会えるかもしれないね」
『セドリックもお父さんと行くんだっけ？ 楽しんでね』
「あぁ、Aと見れたらもっと楽しいんだろうな」
イケメンは言うことが違う
そういうのは女性に言ってやれ
そう考えていると屋敷しもべがお茶とお菓子を持って入ってきた
『さ、お茶を飲んだら買い物にでも行こう』
「そうだね、せっかくのデート楽しまないと」
お茶目な発言に僕はプッと吹き出して笑った
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三隣亡 - とても面白いです！！これからも頑張ってください！続きを楽しみにしてます！ (2020年12月3日 10時) (
レス) id: 94f806d9d0 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。金曜ロードで、ハリポタが再放送していたので、勢いに乗ってまた読みに来ました。個人的に好きなシリーズが炎のゴブレット編なので、楽しみです。 (2020年11月17日 2時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» その事をジニー達にマウント取ってドヤ顔してる婚約者ちゃんも作者は好き…… (2020年11月13日 16時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 婚約者にベタ惚れ主人公君…好き… (2020年11月10日 14時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ハルさん» お父様私も好きなんですよね笑 身内には甘い人ってなんかいいですよね笑 厳しいけど親バカな所あるからねお父様…(ｷｭﾝ) なうでハリポタ見てます！来週ももちろんみます！笑 更新は今書いてる別作品が終わり次第やります！もうしばらくお待ちください…… (2020年10月30日 21時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年7月4日 18時
