第174夜 ページ32
「ハリー、本当にいいのか…？」
「はい、殺してはダメだ。こいつはアズカバンに連れていく」
この問答は軽く5回はしただろうに、まだブラックは複雑そうな顔でハリーを見つめている
ハリーはそれを黙殺した
ハリーの必死の説得のもと、結局ピーターはアズカバンへ投獄する事になった
ブラックはそれに対していい顔をしなかった
親友の息子が言うなら、と渋々決定に従ってはいるが、こうして隙を見ては殺気を鼠男に飛ばしている(ついでに僕にも)
血の気の多いブラック的には、アズカバンに投獄なんて生温い罰よりも一息に殺してしまいたいのだろう
まぁピーターの運命がどうなろうと、僕には関係の無い事なんだけど
『(あ、そうだ…)』
度々送られる殺意の篭った視線にも慣れてきた頃、僕はふとあることを思い出し男に尋ねた
『ねぇ、シリウスさん』
「私の名を口にするな、ヘルエレガルJr.」
容赦ない口撃が僕を牽制する
いっそここまで憎まれるのは新鮮で楽しくなってきた
『失礼しました、Mr.
ところでお身体は大丈夫ですか？ どこか体を痛めた様な歩き方をしていらっしゃいますよね』
ピクッとブラックの眉が吊り上がる
それに構わず、僕は嫌味混じりに言葉を続けた
『僕が蹴飛ばした時の傷でしょう？
すみません、貴方の体が思ったより軽くてね
加減を誤りました』
「……忌々しい」
バチッと二人の間で火花が散る
残念ながら、シリウス･ブラックとは仲良くなれそうにないみたいだ
「やはりあの夜、何がなんでも殺しておくべきだった」
『ご冗談を。暗殺にしては随分と無計画かつ力量不足のようでしたし』
ニコッと笑うとブラックの顔がみるみる怒りで赤くなっていく
楽しい
『僕を本気で殺す気がないようで何よりです
……
「勘違いするなよ。私はチャンスが巡ればいつでもお前を殺すつもりだ、Jr.」
憎悪なのか、何なのか
ブラックの瞳がギラギラと輝いている
「殺害予告なんか書く暇があったらお前の実家を燃やしている」
『………そう。それは楽しみだね』
「いい加減にしないか二人とも！」
呆れた声でルーピン先生が間に入る
ハリー達はオロオロと成り行きを見守っていた
まぁ、今回はこれくらいで引き下がろう
知りたいことも聞けたし
雪積もる中庭を思い出す
やはりあの黒犬は目の前の囚人ではなかったらしい
それなら、あれは一体…＿＿＿
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LUNA - マジで想像力やばすぎて尊敬超えて尊敬(？)します。あと、最高すぎます｡ﾟ(ﾟ^ω^ﾟ)ﾟ｡ (7月31日 0時) (
レス) @page50 id: 5340503e64 (このIDを非表示/違反報告)
せそた - 夢魔のくだりから思ってたんですけど、型月ファンもといFGOユーザーですか？！ 透視の魔眼や詠唱がそれっぽくて思わずコメントしちゃいました すっごく面白いです！ (2022年4月10日 23時) (レス) id: 983e14398b (このIDを非表示/違反報告)
牡丹 - BL要素あるならBLフラグ立てた方が良いかと！違反になってしまうので (2020年10月14日 23時) (レス) id: b919622afe (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» 私も好きです！笑 書いてて楽しいし笑笑 気に入ってもらえて嬉しいです！ (2020年7月4日 14時) (レス) id: 612b09e7e0 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - お父さん怖いけど親バカで好き。 (2020年7月4日 8時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2020年3月27日 18時
