第97夜 ページ5
「「「家出したァッ！？」」」
『ちょっ…しぃーッ！！』
大声を出す三人の口を慌てて覆うが腕が2本しかないのが悔やまれる
案の定注目が集まってきているのを感じて僕は益々縮こまっていった
「わ、悪い悪い…
え、と…理由は？」
『……よんどころない事情だよ』
そんな曖昧な返答にジニーの目が険しくなっていくが、僕もこれだけは意地でも答えない
それを感じ取ったのか、ジニーも双子もそれ以上は無理に追求しようとせず質問を変えた
「それより、これからどうするつもり？
宿とか、食事は？」
「そうそう、新学期までまだ少しあるだろ？どうするんだよ」
『……』
何も答えられず押し黙ると、今度こそ盛大なため息をついて三人が呆れた
「計画性0かよ…」
「Aって結構後先考えないタイプなの？」
『うるさいな』
ニタニタ笑う双子に辟易しながら『考える暇もなかったんだよ…』と答えると、暫し黙っていたジニーが「あの、A…？」と控えめに声を掛けてきた
「えっと…あの…」
しかしそれ以降なかなか言い出せず俯いてしまったジニーに、大丈夫かなと手を伸ばしたところで彼女がバッと顔を上げた
「よ、良かったらうちに来ない…！？」
『……え？』
突然の事に僕が呆けた声を零すと、それまで事の成り行きを見守っていた双子が「「いいね！」」と声を合わせて賛同した
『えっ…？』
「うちは元々大家族だからさ！ 一人増えたところで変わんないよ！」
「見つかりたくないんだろ？ 追手もまさかウィーズリーの家にいるとは思わないさ！」
「社会見学だと思って、な！」
怒涛の説得に今度は此方が困惑するが、辛うじて『せ、せめてご両親に聞かないと』と返した
「なら今聞こうぜ
ほら、丁度いいところに
おーい！こっちだよパパ、ママ！」
フレッドが手を振った先を見ると、買い物袋を手提げたご夫妻とロンと目が合った
「君は…」
『あー、えーと…』
「A？ どうしたんだい？」
『あー、うん…実は…』
杖を新調したらしいロンが怪訝に尋ねるのを、僕は『家出しちゃった』とへらっと笑って答えた
「い、家出だって！？」
案の定驚嘆したロンを置いて双子が未だ放心中の夫妻の説得にかかる
「私は…構わないよ」
『すみません、水と屋根さえ頂ければいいので…』
頭を下げると慌てて「顔を上げてくれ」と言われた
『A･ヘルエレガルです
お世話になります、ウィーズリー氏』
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アラバ - 作者さん！驚くほどお久しぶりです！また1から読ませていただきました！！受験生なのでなかなか来れないのですが、この小説は忘れられず、今日は読んでしまいました((＊´艸`))！！今からこの先も読ませていただきます！ (2020年10月4日 19時) (
レス) id: 23267c8904 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - キノさん» 私が亀更新なばっかりに…！大丈夫です、遅いですが完結はさせますので！これからも楽しみに待っててもらえると嬉しいです！応援ありがとうございます(泣) (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ゆーなさん» お待たせしちゃってごめんなさい〜(泣) コメント励みになります！これからも頑張りますね！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
キノ - 更新とても嬉しいです！！！もうなさらないのかと少し不安になってましたがずっとまっててよかった…！これからも楽しみにしております。ご無理なさらないで頑張ってください(^^) (2020年2月11日 20時) (レス) id: b9a41bfd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな - 待ってましたあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(うるさい)これからも更新頑張ってください！！！ (2020年2月9日 13時) (レス) id: 9864294f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年7月16日 12時
