第52夜 ページ7
最初は本に夢中で相席になったセドリックとも言葉を交わすこともせずにいたけど、窓から空飛ぶマグルの車を見たら集中力も切れて読書をやめることにした
ほんと、何やってんだろうあの二人
面倒なことに巻き込む事もあるけれど、同時に面白い人達でもあるから中々楽しかったりする
『チョコ、溶けちゃうよ』
どうせ後で分かるだろうけど、僕に倣って外を見るセドリックに声を掛けて一応気を紛らわす
『セドリックは何年生なの？
あ、僕は二年なんだけど』
「知ってるよ。僕は四年生さ」
へぇ、やっぱり歳上なんだぁとチョコを食べている彼を何気なく眺めていたら、ネクタイが崩れていることが目に付いた
『ふふ、セドリックはネクタイ結ぶの苦手なの？』
「えっ、あ、あぁ、そうなんだよ…
エッちょっ…A…！？」
席を立ちセドリックの隣に腰を下ろして『こっち向いて』と言いながらスルスルと彼のネクタイを外した
『セドリックはイケメンさんだから、服が多少乱れててもかっこいいんだけどね』
「…！？」
僕がそう言うと大袈裟に肩を揺らすセドリックに『もう、動かないでよ』と少しネクタイを引っ張ると漸く彼は落ち着いた
人のを結ぶのは初めてだけど、よく母様が父様にしてあげてるのを見てるから迷うことは無かった
『はい、出来たよ』
「あ、ありがとうA」
『いいえ〜』
それからさっきまでとは打って変わって、僕達はホグワーツに到着するまでずっと隣で語り合っていた
ホグズミード駅に着くと彼が僕の手を取って「行こう、A」と先導する姿はまさに英国紳士
ネクタイは下手だけどね
それに僕、男なんだけどね
「A、今日はハッフルパフの席においでよ」
しかし玄関に着くと朗らかに言う彼に、僕は申し訳なく思いながら口を開いた
『ごめんね、今日はちょっと…
でも今度大広間に来た時は、必ず』
「そうか…」
残念そうなセドリックにもう一度『ごめん』と言って手を振って別れる
申し訳ないけど、今日は大広間の気分じゃなかった
『さてと…』
僕は手に持っていた本を小脇に抱え直し、早速目的の人物に会いに行こうと歩を進めた
多分、今頃地下牢で日刊予言者新聞でも見てるんだろう
先生が血相変えて出て行く前に、行かなきゃ
そして足どり軽く、僕はスネイプ先生の所へと向かった
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たると - 誕生日が、一緒だー!!!!!!!!!!!やったー!!!!!!!!!!!!!! (2020年11月22日 18時) (
レス) id: 4d06b37767 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - 雪見だいふく魚味さん» ご指摘ありがとうございます！Miss.とMs.が混ざった謎の新しい単語を生み出してしまいました…笑 修正しておきました、報告感謝です！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
雪見だいふく魚味(プロフ) - １つ気になったのですが、第94夜の『Mis,』って，『Ms,』ではないか？と思いました。英語はまだ習い始めたばかりなので，そう言う表現もあるのかもしれませんが，少し気になったので，報告させていただきました。長文失礼しました。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2d7f9b3bbb (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます！ ハリーみたいに真っ直ぐなザ･主人公もいいけど、ちょっと複雑な主人公も良いですよね！これからも二人の対比にご注目ください！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
オタク(プロフ) - 光と闇の主人公同士ですな。素晴らしい (2019年7月15日 2時) (レス) id: 3a06b234dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年2月8日 21時
