第46夜 ページ48
修了式はスリザリンからグリフィンドールの逆転勝利で幕を閉じ、スリザリン以外の寮はみんなでワイワイと楽しそうに騒いでいた
気まぐれで訪れた大広間を、入口近くの壁に凭れてぼんやりと眺めていると、あちこちから僕に声がかかった
「Aー！」
「こっちにおいでよ！」
「Aはスリザリンの席に来るんだ！ 口を慎めウィーズリー！」
「ぼ、僕…、君にずっとお礼が言いたくて…僕、ネビル･ロングボトムって言うんだけど…」
「ネビルったら、おデキの件もテストでも助けてもらって、すっかり貴方を尊敬してるのよ」
「僕、君がいなかったらきっと今頃留年してるよ…」
わらわらと僕の周りに集まり始めた生徒に、僕は苦笑いを零して成り行きを見守る事にした
こういう時は笑って流すのが一番楽だからね
それからなんとかあの集団から抜け出して自室に戻ると、なんと今年のテストの成績表がデスクに置かれていた
それを僕は少し緊張した面持ちで封を開ける
出てきた薄い紙にざっと目を通して、最後の学年順位を見てやっと安堵の息をついた
筆記･実技共に全ての教科で100点オーバーを獲得し、僕は学年トップの成績を収める事が出来た
よかった、と胸を撫で下ろしていると、封筒の中にもう一枚紙が入っていることに気付き取り出す
どうやらそれは個人的な手紙で、差出人はマクゴナガル先生からだった
" これまで貴方程の成績を収めた生徒は見たことがありません
貴方は確かに素行不良ではありますが、陰ながら努力してきた証拠でしょう
輝ける叡智は誇って良いものです。しかし貴方のその才能は誰かの為に振るわれる、優しい魔法であることを願っています
これからもこのホグワーツで、のびのびと精進なさい
マクゴナガルより"
先生からの手紙を丁寧に鞄にしまい、適度に散らかった部屋を魔法で片付ける
入学した時よりも増えた私物に笑いを零し、この一年で自分が少し変わったことを実感した
『自分の道は自分で決める、か』
父様と母様に敷かれた未来へのレールから外れる気はまだ起きないけれど、このホグワーツでは自分のやりたい事が少しだけ見えた気がする
興味への更なる探求
それから…
『ふふ、』
昨日あの地下牢の一室で過ごした時間を思い起こし、人知れず笑みを浮かべた
僕はあの小さな世界を守りたい
今、自分の心にある望みはそれくらいだけど
きっとこれから、もっと＿＿＿＿＿＿
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一ノ瀬 潤(プロフ) - 深掘りしたやつ公開範囲制限されたのですね😭見れなくなって残念です (6月14日 22時) (
レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - はぁ⁉︎めちゃくちゃ好きなんですが~⁉︎読み始めたばかりなのですが、応援してます！！！ (2023年4月17日 21時) (レス) @page2 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
あまおうよりとちおとめの方が好き(プロフ) - 主人公の塩がちょうどいいくらいで好き (2023年2月2日 23時) (レス) @page27 id: 98a18d93d3 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - この神作品を今の今まで知らなかったｯ！！もう最高です！主人公くんの心境とかの変化がゆっくり変わっていてとても読みやすいです！ あと「作者様って本派の人だｯ！」ってことに気づいてとても嬉しかったです！これからゆっくりではありますが一気読みしてきます！！ (2021年9月23日 21時) (レス) @page50 id: 902e47dacc (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - こういう作品、ほんといいてすよね！もう、全部一気読みしてしまいました！ (2021年2月19日 7時) (レス) id: 58abb9e774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
