無関心な女子生徒は御曹司に迫られる ②【御影玲王】【ブルーロック】 (ページ10)

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57.興味ページ10

なぜわざわざ二人になる必要があったのだろうか。

「で、どうだった？」

何がしたいかわからない目の前の御曹司にジト目の視線を送る。

「素人には頭が混乱する試合だった」

私は素直に思ったことを伝える。
私がそう言うと、御影は「ははっ」と笑い出す。

「まぁ確かに素人はあれ、混乱するだろうな〜」

ただ、これが「W杯優勝」という夢が全ての原動力でここまで来たのなら
相当努力をしたのだろうな。

サッカーに疎いとはいえど、対戦相手があの体格で弱いとは思えない。

最初も押されているように見えたしほとんど御影が動いていて、凪がゴールを決めていた。

「あの試合、実は親父に仕組まれたものなんだよな」

夢へのプレゼントだってさ。と付け足していう

「…反対されてなかった？」

私はお付きのばぁやが言っていた、御影の父親の言葉を思い出す

『サッカー選手なんて選ばれた人間にしかなれない。今から始めるお前になれるわけがない』

そんな人間が素直に自分の息子の夢を肯定するだろうか。

「そー。負けたっつー既成事実作って諦めさせるのが目的。」

「あぁ…」

なるほど
デカい会社の社長というのは如何なる隙も見逃さないんだろうな

＿私の親父なんか甘い方なんだな

「ま、勝てたからいいけどな」
御影はそう御機嫌そうに言う

「…おめでと」
私はそんな御機嫌そうな御影を見てそういう

でも彼の夢から見ればまだまだ一歩にもならないかもしれないが

御影は驚いたように目を見開き
「お前…」と言う。

頭に疑問符を浮かべながら御影の次の言葉を待つ

「笑ってたぞ」

あぁ、無意識だったが笑っていたのか
「…そんな珍しいものでもない」

彼が不思議そうな目で見るので私はそう言う
爆笑、だとか大笑いとかはあんまりしないけど。

少しの沈黙を挟んで私は、気になったことを御影に聞いた

それは彼の夢を聞いた時に疑問に思っていたことだ。

「そういえばなんでサッカーなの？W杯に似たような大会なら他のスポーツにもあるでしょ」

「なんか聞いてくるなんて珍しいな。何？興味湧いた？」

「いつもはめんどくさいし、どうせ興味なくなるから聞いてないだけ」

そんな状態になるというのに聞いたって失礼だし、私は覚えてないだろうし

私はそう言うと御影は返答に悩んでいた

「特にこれって意味はないけど『唯一無二の宝はこれだ！』ってなったんだよな」

「へぇ」

それだけでの心意気で努力ができるのもすごいな、と思った