無関心な女子生徒は御曹司に絡まれる【ブルーロック】 (ページ45)

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44.体育祭5 ページ45

「あや！きて！」

私らしからぬ大きな声をAクラスに向かって出す。

「え、Aに綾海先輩！？へ？？なんで？」

あやは始終混乱状態だったが私は構わず
あやの手をとり引っ張っていく。

「はい、それではいってらっしゃい」

私は綾海先輩とあやの手を繋ぐと貼り付けた笑みで手を振る。

「え、ちょ、A！？珍しく笑ってますけど！？」
「おい、Aさん！？」

焦っているようだが知らない。

私はそのまま彼らを無視して自分の席に戻る。
ここまでしないと進めないとは…

「あ、城望さん帰ってきた〜…」

私は自分の席に戻ると、一部始終見ていた凪にそう言われる。
先輩の描かれていたお題はゴールすると同時に明らかになるだろう。

私は一息つき、ひんやりマフラーを首から取る。
すると、じーっと凪がこちらを見てきていた。

「…何」

「城望さん、あの人になんか言ったのー…？」

一切興味がなさそうに見えるのは気のせいだろうか。

「別に…、大切なものは自分のにしておかないと誰かに取られますよって」

私はいつぞやに暇で暇でしょうがない時に
仕方なく読んだ恋愛小説に書かれていた文をそのまま凪にいう。

たとえ小説の言葉丸パクリでも
私に色恋の発言なんて向いてないにも程があるな。

「ぜったい言ってない」

凪は、いうわけないじゃん、とでも言いたそうに顔を顰めて口をバッテンにしながらそういう。
私は凪から目を逸らし、凪の言葉を知らんぷりする。

すると二人はゴールしたのか向こうで歓声が上がっている。

「…お題なんだったの？」

「聞いてればわかる」

心の中では、凪には縁のなさそうなお題、と思っていたがまた口をバッテンにされそうで面倒なので言わない。

『お題は「好きな人」でしたー！！お相手様のお返事はどうなのでしょうか！？』

盛り上がってるなぁ、と他人事のように思う。
まぁ、今回のは「想い合ってる」というのが分かっててできた荒業だが。

部活でも先輩はしつこかった。
あやに聞けばいいことまで私に全部聞いてきて、正直うざったかった。
あやも先輩ほどではないが、しつこい面が見えるところはあった。

(これで一件落着…じゃなくて、めでたしめでたし、かな)

「おれ、障害物競走でよかった」

放送の言葉を聞いてか、凪は眉をひそめながらそう言っていた。
いつもの通り、口をバッテンにして。