無関心な女子生徒は御曹司に絡まれる【ブルーロック】

26.正体 ページ27

「……おーい」

驚きすぎでは無いだろうか。まだ放心している。

御曹司は“あの飲み物”も飲まないのだろうか。
飲んでいるイメージ、あるんだけど

「ま、ま、マジで飲んだの？」

「うん」

「いや、うんじゃねぇよ！？」

次からは俺に言えよ、普通の飲みもん買うからな、と訳の分からないことを言っていた。

何をそんなに焦っているのだろうか。
……ん？こいつ勘違いしてる？


「……それ誰からどういう風に聞いたの」

「え、凪から城望がどろみず飲んでたって」


やっぱりあいつか、と私はため息を吐く。

面倒臭がりの凪は言葉が足りないことが多いことを私はこの数週間で学んでいる。
人間関係でいつか支障をきたしそうな癖だが、知らない。





「それ、コーヒーだよ」

「は……？」

御影は今度はキョトンとしたような顔をする。
表情ころころ変わって忙しいやつだな


御影が勘違いしているのは、おそらくコーヒーのことだ。

微糖のコーヒーを買ったはいいが、思い切り落としてしまい、泡立ってしまったのだ。
パッケージも少し破けたから剥がして飲んでたのだ。

それを見た凪が「どろみずみたいに見える」と言ったのだ。

仮にも人が飲んでいるものを「泥水」というなんて配慮がない。

…いや、凪に配慮を求める方が間違っているか…。

そのことを御影にいえば「あ〜…」といっていた。

「確かに凪ならあり得そうだな…」

御影は今度はほっとした表情になる。
泥水ではなかったと知ったからだろうか。

私はそう思いながら、泥水を飲んでいると思わせた張本人の隣で寝ている凪を睨んだ。

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