無関心な女子生徒は御曹司に絡まれる【ブルーロック】 (ページ20)

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19.迷子ページ20

何も考えずに飛び出すものではない。

(サッカー部の部室って、どこだ？)

私は衝動のままに動いた結果、部室がどこだかわからないまま来てしまった。
凪に聞こうと、一度教室にも戻ったが凪はすでに御影に回収された後だった。

私はとりあえず、運動部の部室は外にあるだろうという自分の偏見を信じ、靴を履き替えた。

この学校もデカいからな…。

あやに「サッカー部の部室ってどの辺？」と言った内容の文を送る。
彼女は運動部なのでもしかしたらわかるかと思い、メッセージを送ったのだ。

すぐに返事が来て、学校の地図の写真にサッカー部の部室をわかりやすくマークしてくれていた。
私はそのマークの場所まで移動し始めた。

(ここ、駐車場じゃん)

地図通りに来たはずなのに
あやから送られてきたマークの場所とは反対の場所にいる。

なぜだろう？これの通りに行ったはずなのに。

私は疑問に思いながらも、もう一度グラウンド方面に行こうと歩き出そうとする。

すると後ろから声をかけられた。
私は振り返るなり、驚いてしまった。

かなりでかい。それも女性で老女だ。
髪も二つの団子に結ってお理、魔女のような特徴的な花を持つ。
ビシッと決めたスーツがこの老女ほど似合う者もなかなかいないだろう。

「おや、どうかいたしましたか？」

鋭い瞳で私を捉えながらその老女は言う。
私は「えと、迷子です…」と戸惑いながらも素直に答えた。

「どちらへ？」

「サッカー部の部室、です…」

なんだかこの端的なやりとり、既視感(デジャヴ)だなぁ。

ついてこいと言わんばかりの大きな背中に私はついていく。

＿学校関係者だろうか。だけどこんな人、いくら私でも覚えてそうだけど。

(てか、私が教室出てから40分近く経ってる…)

「着きました」

一切の無駄な動きがない老女はそう言うと、部室の入口から横に退いた。
私は老女に軽く会釈をして、恐る恐る部室の扉を開けた。