凪誠士郎の片割れちゃん (ページ10)

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第９話ページ10

いつもならAが起こしてくれるはずなのだが今日は逆

俺の方が先に起きたから特別起こしてあげる

「A、朝」

『んー...あさ、？』

「そう、朝」

『おはよう』

「おはよう」

Aはしばらくぼーっとしたあと

『よし、今日も頑張りますか〜』

そう言ってベッドから降りる

「もう大丈夫？」

『え？あぁ、なんかもういいや』

Aは困ったように笑うと

『あんなことでくよくよしてられないしね』

そう言って準備を始めた

いつも通りチョキに挨拶して学校に向かう

『今日のてんき、すごい好き』

「俺はめんどくさいからきらーい」

雨が降ってて傘持つのもめんどくさい

Aは結構曇りとかの方が好きらしい

そこにタイミングよく来たリムジン

「よっ！良かったら乗ってけよ！」

「レオ〜ナイスタイミング〜」

『あ、ありがとう』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

学校に着いたはいいものの、周りの視線が痛い

もしかして、昨日の話がもう学校中に？

大人しく席についていつも通りイヤホンをつけようとした

「ねぇねぇ凪さん！」

クラスの子が数人、私の前に来た

それも嬉しそうに

「昨日〇〇くんに告白されたんでしょ？」

「どうだった？」

あーヤダヤダ、こういうの大っ嫌いなんだよね

部外者が口挟むなよ

けど、そんなことは言えないので

『断ったよ』

笑顔でお返しする

「えー！なんで！？〇〇くんとか優良物件じゃん！」

「勿体なーい！」

自分の価値観で物事決めるのやめて貰えないかな

「ていうか、〇〇くんの告白断るって凪さんもしかして...」

私はこの次の発言に、この女をぶん殴りたくなった

「玲王さまのこと好きなんでしょ！」

『...は？』

「あー有り得る！」

「玲王さまと比べたら〇〇くんそこまででもないしね」

「ねぇどうなの！？」

落ち着け、怒るな

『好きじゃないよ』

私は落ち着いて、冷静にそう答えた

ちゃんと冷静に答えられたのに

「やっぱり凪誠士郎の妹だから特別扱いされて勘違いしてるんじゃない？」

「なら仕方ないよね〜」

もう無理

『いい加減にしてくれない？』

流石の私も怒っちゃったよ