11.意識 ページ13
パキ パキッ
ガイアが触れている壁が凍る音が聞こえる
私の後ろで行われているそれを見る事は出来ないけれど、さっきの私と同じ方法を試しているんだろう
平然としているガイアを見ていたら、ドキドキしている自分が馬鹿みたいに感じられて
早かった心臓も落ち着きを取り戻してきた
ガイアからは
「寄りかかったら、そこから一切動くなよ」
って言われたから、私は言われた通り一切動いていない訳で
こんなに密着するのも初めてだな、なんて
まぁ、恋人でもない人とこんな密着してたらそれはそれで問題あるよね
細く見えるのに、鍛えられたしなやかな身体に意識せずにはいられない
…私ばっかり意識してるみたいで、何だか悔しい気持ちになって
余裕綽々なガイアを視線だけを上げ、チラッと盗み見る
「ん?どうした?」
『……何でもない』
私の視線を感じて、少し微笑むガイアにキュンと胸が高鳴った
これも惚れた弱みってやつなのかなぁ
『……ムカつく』
「おいおい、いきなり喧嘩腰か?」
私がポソッと呟いた声が聞こえたのか、ガイアの笑みが更に深まる
何を考えてるか分からないのも、この男の食えないところよね
『別に。…ただ、こんな状況なのに余裕だなって思って。さぞかし、女性とのこの距離に慣れてるんでしょうね』
口から出た言葉は何とも可愛くないもので
「はは、Aにはそんな風に見えてるのか?心外だな、これでも緊張してるんだぜ?」
『嘘ばっかり』
プイッとガイアから思いっきり顔を逸らして、少し距離をとるように身体を浮かせた
その瞬間
手を掴まれて、腰を引かれたと思ったらグルリと視界が反転して
パラパラッとガイアの髪が顔を擽る
「あんまり煽るなよ?俺も我慢してるんだ」
『ガイ、ア……?』
頭が混乱状態の私を他所にガイアは私の耳元に唇を寄せて
「食っていいなら遠慮なくいただくが…どうする?」
色っぽい声で囁かれゾクゾクッと身体が震える
掴まれていた手首から徐々に上に上り、指が絡んできて、顔が見える距離まで戻ったガイアと目が合う
『な、に言って……!』
その目はまるで獲物を狙う獣のようで…
「俺のモノになるか?」
そう言いながら少しずつ近付いてくるガイアの顔に一気に熱が顔を覆う
『な、ちょっ……ガイ、ア……っ!』
思わずギュッと目を瞑った…___________
…
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紗々(プロフ) - えむさん» えむさん、コメントありがとうございます!ガイア大好きなので、言わせたいセリフ詰め込みました笑 そう言ってもらえて凄く嬉しいです!フッと物語が浮かんできたらまた少しかもですけど書きたいと思います! (3月4日 23時) (レス) id: daaa8df44c (このIDを非表示/違反報告)
えむ - ほんっとうにいいお話でした。本当にガイアと会話してるみたいでドキドキしちゃいました!「⚪︎⚪︎は赤より青の方が似合う」っていうセリフがすごく好きでした!なんかちらっと短編でもいいのでアフターストーリーが読みたいです! (3月4日 20時) (レス) @page40 id: a4278effba (このIDを非表示/違反報告)
紗々(プロフ) - 星空ブリキさん» 星空ブリキさん!コメントありがとうございます!!ガイア好き過ぎるのでそう言ってもらて嬉しいです❤️ (2022年9月1日 13時) (レス) id: daaa8df44c (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - ピャーーーー(//∇//) 甘い………甘すぎるよこれは………………ヤバイ(´ω`」 ∠): (2022年9月1日 9時) (レス) @page40 id: ea3b6f671f (このIDを非表示/違反報告)
紗々(プロフ) - 朱音いろさん» 朱音いろさん、ありがとうございます!そう言っていただけると凄く嬉しいです!今後も精進していきますので新作出た時はまたぜひ! (2022年7月10日 15時) (レス) id: daaa8df44c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗々 | 作成日時:2022年5月11日 20時