01.血を吸って ページ2
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ジュルリ、液体を啜る音が近くで聞こえる。
何も考えられないくらいドロドロに溶かされた脳の中で反響するその声に私は顔を赤らめた。
「...んッ..ふ」
夢中になって私の首筋に犬歯を突き立てる彼女は欲のままに動いている。
ピリッと痺れるような痛みが私を甘く溶かし、私の中で甘く熟された血が彼女の思考をドロドロに蕩けさせている。
此処は探偵社の給油室。
誰か来てもいいように私が扉に背を向け、私より小さな彼女を護る感じで立っている。
まあ、今まで 行為の最中 に誰も入って来たことはないが。
「なに、かんがえてるんですか...」
飲みきれなかった血が口の端から零れる。私は其れを舐めとって、微笑みかけた。
微笑みかけた私に彼女は接吻する。
口の中にある血の味を堪能するかのように、隅々まで味わいながら
ループタイを掴まれ動けない私に彼女は首に手をかけた。噫、このまま絞め殺してはくれないだろうかと考えるも、彼女は私の首に縋るように手を回すだけで
自然に空いた距離に胸がチクッと痛んだ。
でも、目を開けた彼女の欲に塗れた深紅の瞳を見るとそんな痛みは消え去って
「もっかい...」
先刻と同じようにまた接吻を交わした。
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