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「もしくは、異能力の発動条件を知ること」



そんなの、ありかい。
冷や汗が垂れる。息を呑む。全身の血の気が引いていくのを感じる。そのすべてが刹那にして行われる。それくらい、彼女の云うことは恐ろしかった。

異能力の発動条件を知ること。その条件だけで全ての異能力を操れるというのか。…全身が恐怖で震えた。


私のような接触することで発動する異能力は操れないのだろうが、鏡花ちゃんのように発動条件が明確であれば明確であることより説みつに操れるということか……。

厄介すぎる。



「太宰。わかっているな」

「ええ、勿論。…私はあの異能力たちに 触れられない ということですよね」

「ああ。多分、外には谷崎が隠れている。…もし彼の攻撃を防いでも、与謝野さんの異能力が隠れているかもしれない」

「賢治くんが最重要危険人物ですね」

「首をもぎとられるかもな」

「笑えませんよ」



さて、どう突破しようか。
うちの面子はやわじゃない。反異能の私は異能力以外のものに致命傷を与えられたら死んでしまうし、なんの異能力も持たない乱歩さんが倒されるのは時間の問題だ。

……やばいなぁ。



「御二方」

「マスター…」

「私たちが奇襲にあった日、覚えてますか? 」

「……勿論」



あれは酷い事件だった。マスターの親指の爪が剥がされ、持ち帰られていたのだ。爪を収集することが趣味のそいつらはコーヒーが匂いがするといって、爪をえらく気に入ったのだ。

それで、事件が起きてしまった。



「あの時、女性給仕が一人いました。私たちは彼女を逃がしました。誰も知らない。私たちが知っている出口から」



真逆。



「上が武装組織ですからね。…このことは内密に」



私たちは襲撃にあってから三十分後、ようやくヨコハマを駆け出した。あの子を、親友を婚約者を助けるために命を懸けて走るのだ。

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黒灰白有無%(プロフ) - 完結御目出度う御座います喧!嘩っぷるなのは初めて読みました!危ない展開もありましたが無事幸せそうな日常に戻れたみたいでよかったです!!江川さんも良いキャラで好きですw喧嘩っプル→1デレがもう好きすぎました!これからも応援しております!!コメント失礼致しました (9月9日 5時) (レス) id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
月海(プロフ) - ?まなかさん» 江川ちゃん褒めてくれてありがとうございます!!!!江川ちゃん可愛いですよね江川ちゃん(強引)ふっふっふ…今夜は寝かせませんよ!← (2018年2月11日 19時) (レス) id: fd20a6a3d2 (このIDを非表示/違反報告)
?まなか(プロフ) - 江川ちゃん、!…いいですねぇこういうライバル的な存在…!くっ、続きが気になりすぎて夜も眠れない…!! (2018年2月11日 19時) (レス) id: dbf487caee (このIDを非表示/違反報告)
月海(プロフ) - ?まなかさん» そう言っていただけで嬉しいです!! 更新頑張りますね!! 尊いと言われてとっても嬉しいです! ありがとうございます!! (2018年1月16日 15時) (レス) id: fd20a6a3d2 (このIDを非表示/違反報告)
?まなか(プロフ) - はあぁ、尊いです。こんな素敵な小説があっただなんて、、早く気づきたかった!!乱歩さん好きいい!!作者様神いい!!更新頑張ってください!応援してます!!! (2018年1月15日 1時) (レス) id: dbf487caee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月海 | 作成日時:2017年2月4日 18時

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