私たちの主従関係【太宰治】

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　＿＿＿...おはようございます
目を開けるとAがそう云いながら微笑んでいた。

　あゝ、今日も可愛いね。
そう云って彼女の額に接吻をする。




「おはよう。善く眠れたかな？」
「...夢が怖かった以外は善かったです」




　なんだい、夢って。
可愛いねぇ...どんな夢なのだろう。
Aのみる夢はどれも素敵だと思うが、当人が善くないと云うのなら善いものではなかったのだろう。




「少し汗ばんでいるね、シャワー浴びるかい？」
「..そうします。」




　ふらふらと立ち上がったAの背中に声をかける。あゝ、どんな反応をするのだろう。楽しみだなぁ...。





「明日、引越すから荷物をまとめておきなさい」
「...へぁ？」




　寝惚けているのか少し呂律が回っていないのに、目は大きく開かれている。
そりゃ、誰だって明日引越すって云われたら吃驚するよね。





「引越す！？」
「うん、私とAの新しい愛の巣を買ったんだ」
「あっ...愛の巣！？」




　可愛い反応だなぁ...。
今すぐ抱き締めて写真に収めたりしたい。
だって真っ赤な顔のAなんて可愛くて仕方ないもの。


　ふふ、君のその顔を知るのは私だけって言うのが優越だよ。探偵社に教えたくないなぁ。
私の子飼いの子はこんなにも可愛いんだって

　国木田君とか敦君..Aに堕ちそうで怖いなぁ。
まあ、堕ちたとしてもAは私のモノだけどね

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