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「ねぇ、A。」


私が名前を呼ぶと、可愛らしく首を傾げるA。可愛いなぁ、だからこそ虐めたくなるって わかんないかな?
私は意地悪く、わかりきった質問をしてみる。


「自分の母の元に帰りたいと思うかい?」


がしゃん、Aの持っていたお皿が落ちる。彼女の手は恐怖感のためか、震えている。顔も青ざめている。可愛いなぁ。


「おさむさん…?何云ってるんですか、……」
「だから、母親の元に帰らなくていいのかって」


蟹を口に運ぶ。もぐもぐと蟹を食べている私はあたかも普通の質問をしているようだが、Aは違う。必死に唇を食いしばり、恐怖に耐える。その姿のなんて愛らしいこと。


「母の元になんて、帰りません」
「どうしてだい?」


Aが息を呑む。いつもAに優しい私だから、彼女の家族に関することはこの4年間。一切合切話さなかった。だからだろうか、Aはいつもと違う私に怯えている。


「なんで、そんなこと聞くんですか」
「…もし、私が死んだら 君はどうするのかと思って」


震える声のAは目を大きく開く。彼女にとっては当たり前なのだろうこの日常。だが生憎、私は死のうとするのをやめることはない。でもそんな私にだって未練はある。可愛いAはもし、私が死んでしまったらどうするのか。どうなるのか。彼女はどうしたいのか。
気になったのだ。


「い、嫌です。死なないでください…」
「A。従者が主人にそんなこと云える立場だと わたしは教えたかな?」


Aを突き放すと、彼女は傷ついた顔で私にすがる。俯きながら、何を考えているのかみえないまんま。


「ごめんなさい…でも、嫌なんです。だって……治さんが、好き、だから」


そうして、そう云った。

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月海(プロフ) - きみしにたもーさん» よくやることです… (2018年2月19日 21時) (レス) id: fd20a6a3d2 (このIDを非表示/違反報告)
きみしにたもー - もうもう(名前)のところ本名で読んで勝手に萌えてます((変態 (2017年11月14日 18時) (レス) id: 68b6b27599 (このIDを非表示/違反報告)
弔藍(プロフ) - きみしにたもーさん» あああああああ!!ありがとうございますっめっちゃくちゃ嬉しいです……!!! (2017年11月14日 16時) (レス) id: cac47d7322 (このIDを非表示/違反報告)
きみしにたもー - ふうううすてきな作品ですね(どきどきが止まりません! (2017年11月14日 9時) (レス) id: 68b6b27599 (このIDを非表示/違反報告)
海亜(プロフ) - はらぺこむしさん» こちらこそ有難うございます!! (2017年7月20日 22時) (レス) id: 420d780e22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はる | 作者ホームページ:h  
作成日時:2017年1月18日 12時

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