２９ ページ35
.
Aは太宰に拾われ、その後 家政婦という名目でおよそ三年間程 彼の身の回りの世話をしていた。たまに家に帰してもらえる機会もあったが、Aにとって 家というものは地獄。
自分の居場所は太宰の場所しかないと観念したAは 太宰の奇行にも大して反応しなくなった。かと云って、彼が本当に死にかけた時には涙を流す。
それが、養う人がいなくなり 自分はどうしたらいいのか。という感情なのか 太宰の喪失による虚無感への恐れなのかは、本人にもわからない。
慣れぬ感情。それに縛られた彼女を見て、太宰は満足そうに笑った。初めは好奇心だった。可愛い彼女に魅入られ、彼女のことを調べていく。
宮内 A。父と母は離婚。母子家庭で育てられるも、母は家事と仕事の両立に失敗。今や夜の世界で男と遊び、明け暮れる毎日。禄にご飯を食べていない彼女がなんとも儚げで 自分のモノにしたいと思ってしまった。
即決で彼女を拐い、傍において三年。
世間は彼女のことを騒がない。母親は始末していない。…と、なれば Aがそんなにも邪魔だったのだろうか。
最低な母親だ。自分の子供一人も満足に見れないだなんて。だが、感謝している。これでAが完全に太宰のものになったのだから。
狂気じみたかな、その感情は彼にとってはハジメテ。彼は高鳴る胸とともに、彼女に抱きつく。彼女がどう思っているかは、最早彼には関係ない。何故なら、じっくり これから時間をかけて、彼女を自分好みの娘に染め変えていくのだから。
それから数年。探偵社員となった太宰は Aと新居に引っ越した。すっかり従順になり、自分好みになったAをみて にこり、笑いながら蟹鍋を摘んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月海(プロフ) - きみしにたもーさん» よくやることです… (2018年2月19日 21時) (
レス) id: fd20a6a3d2 (このIDを非表示/違反報告)
きみしにたもー - もうもう（名前）のところ本名で読んで勝手に萌えてます（（変態 (2017年11月14日 18時) (レス) id: 68b6b27599 (このIDを非表示/違反報告)
弔藍(プロフ) - きみしにたもーさん» あああああああ!!ありがとうございますっめっちゃくちゃ嬉しいです……!!! (2017年11月14日 16時) (レス) id: cac47d7322 (このIDを非表示/違反報告)
きみしにたもー - ふうううすてきな作品ですね（どきどきが止まりません！ (2017年11月14日 9時) (レス) id: 68b6b27599 (このIDを非表示/違反報告)
海亜(プロフ) - はらぺこむしさん» こちらこそ有難うございます！！ (2017年7月20日 22時) (レス) id: 420d780e22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
