君と出逢ったあの日から。【三ツ谷隆】 (ページ44)

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エピローグページ44

幸せとは何か。

それをなんと呼ぶか。

何が正しいのか。

きっと、人それぞれだと思う。

「タカー？」
「ん？」
「料理を…教えて欲しいんだけど…」

彼女の首元でキラリと光る、リボン型のネックレス。

それは、彼女にとっての"カタチのある幸せ"だ。

「なんでだよ、別に出来なくてもよくね？」
「うーん、違うんだよ…。何でもかんでも、タカに家事任せちゃってるから、大変かなって…」
「全然ンなことねェよ？ん…おいで？」

"タカ"と呼ばれる彼は彼女にむかって腕を広げ、わかりやすく顔をほころばせその腕の中に飛び込む彼女。

「大好き」
「オレも」

お互い、額をコツンとあわせ、ながれるままに唇を重ねる。

彼女…いや、"彼女ら"にとっての"カタチのない幸せ"。

目に見えない、偉大なもの。

"愛"に飢え、"幸せ"を探し求めていたのであれば、

きっとそれは、表裏一体となり、

いずれ、"出逢う"きっかけへとなっていく。

「私、今すっごく幸せ」

何故なら、"幸せ"というものは"愛されること"であるのだから─。

『逢う』…親しい人・好ましい人とめぐりあうこと。対面すること。