君と出逢ったあの日から。【三ツ谷隆】 (ページ31)

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「私、ほんとにタカがいないと生きていけなくなっちゃう」

声のトーンをおとして言う。
暖かい背中に顔をうずめる。

「…そうなれよ。オレなしじゃ何も出来なくなるくらい」

驚いて顔をあげると、暗くてはっきりとは見えないが、赤くなった耳が見えた。

「そしたら、オレが一生そばにいてやるよ」

ドクン、と大きく脈をうつ。
全身が内側から熱くなっていく。

なんだろ、この気持ち。

「やっぱ、タカには敵わないな」

悔しいけど嬉しい。矛盾した感情が行き来する。

「そうか？オレはオマエに敵わねェけど」

やっと顔を出した、自然の月明かりに照らされたタカの顔が、後ろから少しだけ見える。

少し儚げで、私の心を蝕むには十分だった。

「タカ」

「どうした？」
「あのね…」

そこからは、まだ明かしていなかった、私の過去をタカにうち明けた。