貴「最推し様が御降臨なされた……!」 ページ2
貴「えーっと……此処、何処?」
気が付いたら知らない処に居た。
可笑しいなァ。確か私は……そうだ。
──私は死んだ筈なんだ。
小学三年生になる末の弟と散歩をしていたら、車が歩道に突っ込んで来るのが見えた。
其の軌道は、弟が傷付いてしまうもので。
無意識に弟を突き飛ばした。
そして、衝撃が来た。
──で、今此処に居る。
え? 何で? 此処は天国? 違うなら地獄?
?「おい、如何した? 急に頭抱えて」
貴「うわあああッ!?」
急に声を掛けられて吃驚した。全く、人の後ろから声掛けちゃ駄目だよ? 吃驚しちゃうから! 私のように!
おっかなびっくり後ろを向くと……
……………………えーと、あれ? 幻覚かな?
何か、どハマりしてるマンガの最推しが見えるんだけど?
貴「えっ!? 中也様!?」
中「あ? ……何で手前俺の名前を知ってンだ」
貴「あ」
やっちゃった☆
じゃねえよ莫迦殺されるわッ!
どどど如何しよう如何やって誤魔化したら生き残れる否中也に殺されるならもう大歓迎なんだけどどうせなら推しコンプしてから死にたいな!?
そうだ! あの人が使える筈!
貴「ご、ごめんなさいッ! 太宰さんが貴方についてお話ししていたので……」
中「太宰だと? 手前、アイツと如何云う関係だ」
貴「心中に誘われて、OKしたら、少し話そうと云われて……喫茶店で他愛もない話をしていた中に、貴方とよく似た人の話を聞いて、もしかして、と」
嘘だけどね。
誘われたいけど誘われなかった歴6年の私を舐めるなよ(´;ω;`)ウッ…
中也はやけに真剣な目付きで私を見ている。そんなに見られたら惚れ直しちゃうよ〜////
中「……手前、死にてェのか?」
貴「イケメンと死ねるなら本望だけど?」
中「手前にゃ家族も居ンだろ。其奴らに心配掛けんなよ」
あ、そう云う事か!
私が心中をOKしたって云ったから怒ってるのか!
もう! 何このイケメン!
でも、そっか。家族、か……。
貴「家族は、もう居ないんだ」
中「!」
貴「私だけこんな処に来て、弟の事も守れなくて、…………あれ? 何で私、泣いてるの?」
気が付けば心の中の靄を語っていて、頬を熱い涙が零れ落ちていた。
中也が少し目を伏せて、私を抱き締め、頭を優しい手つきで撫でる。
中「そうか。悲しいなら泣け。泣いて、前を向け」
貴「ぅ、ぁ、……うわあああああん!!!!」
中也の声に何故か落ち着いてしまって、私は周りを気にせず、中也の腕の中で泣いた。
貴「神様何処行きやがった月夜ばかりと思うなよ……!(((いや其れ違うだろ」→←設定(前世)
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作者名:Ruka | 作成日時:2019年4月25日 21時