別れさせ屋 (ページ4)

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「ふっ、ふふっ、ホント…ふっ、ごめんなさい、」

亮平「笑すぎだってば～」

阿部さんにメイクしてふわりと少し耳にかかる髪の毛をピンで止めた。

もう女の子にしか見えない。

亮平「でも俺デカすぎんだよね」

照「今回のターゲットはモデル系美女が好みなんだってさ」

他にも女優系美人に使われるのは翔太くん。
スポーツ系美人に使われるのは照さん。

どっちも可能な万能調味料はラウールくん。
でも彼はまだ研修中のためメイク練習中。

彼らが女装をして男を勧誘する。

そこら辺の女の子よりよっぽど可愛い。
そして男心がわかってる。

何より……

亮平「スカート足スースーする、ヒール歩きずらい」

「気をつけてくださいね、照さんこの前、
ターゲットから襲われかけてましたよ」

亮平「え、こわっ照は力があるからいいけどさ」

そう。何かあったときに男の子の方が自分を守れる。
俺、ひ弱だから。なんて言ってる阿部さんでも、
当たり前だけど自分を守るくらいの力はある。

「じゃあ、私がベロベロに酔わせます。
そしたら、男だとはバレないはずですから、
お願いします。」

照「ラウール、Aちゃんの友達役やってみる？」

ラウ「え、僕ですか？！」

「私、一人でも大丈夫ですよ？」

照「ちょうどいい経験になると思うし。
そろそろいいんじゃない？」

ラウ「うわっ！やった！
ついに初任務ですね！頑張ります！」

ラウールくんに軽くメイクしてウィッグをつける。

「やっぱ相変わらず可愛い。」

ラウ「どーいたしまして！」

ターゲットに連絡をして、お酒を飲ませて阿部さんと合流させる。

「もうすぐ来るって」

私とるんるんのラウールくん、
二人で待ち合わせ場所に並んでると。

男「お姉さん達チョー可愛い！飲みに行かない？」

無言で首を横に振るラウールくん。

男なんだけどなー、と思わず吹き出しそうになったら
ラウールくんにジロっと睨まれた。

「ふふっ、ごめん」

小声で謝って

「ごめんなさい、これから予定があるから」

なるべくラウールくんには話させないで私が話す。

男「えー奢るからーお願い～」

今日はまた一段としつこいなー。

どうしようかと思っていたら、ラウールくんは
唇をむぅっと尖らせ、私の腕に手を回して、
逃げるようにその場を離れた。