ホームレスにはなりたくないです。【2】

#70 ページ27

【玲於 side】



あの後俺は店であったこの人に付き合わされるハメになった





「あの子、彼女??」




そう言ってまたお酒を口につけるあなたはあの時のまま美しくて

でも少し悲しそうで





玲於「彼女じゃないです」





「ふーん」





玲於「ユリさん、俺そろそろ…」




ユリ「付き合い悪いなー笑」









そう言って俯くから








玲於「すいません」






謝ることしかできなくなる









ユリ「今日だけ、｣






今日1度も目を合わせていないユリさんが初めて俺の目を見る




きれいだ






玲於「わかりました。今日だけです。」





Aのこともあるし早めに帰らせてもらおう


なんてそんな考えは甘かったんだ








・







・




ユリ「玲於〜。まだ付き合ってよね。」






もうたぶんユリさんはだいぶ酔っている。


でも盛んにさっきから俺の名前を呼んで






この人は俺の前から姿を消した2年前から今日まで何を思ってどんな思いで毎日を過ごしてきたのだろうか






その時にちょうどケータイが光っているのに気づいた





玲於「亜嵐くん…」









亜嵐くんからの着信履歴








俺の頭に嫌な予感が漂う








慌ててかけ直そうとケータイを手に取り立ち上がろうとした








ユリ「玲於くん…」








今にもよろけて倒れてしまいそうなユリさんにすかさず右手を出した





玲於「そろそろお開きにしましょう」






ユリ「ん……」





ほとんど会話の成り立たないほどに出来上がったユリさんを担いで店を出た。

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