. ページ6
佐久間side
疲れ切った様子のAと分かれて楽屋に戻る。
ラウ「Aちゃん、大丈夫かな...」
阿「結構、キツそうだったもんね。」
照「やっぱり体調がよくないんだろうな。
いつもだったら考えられないくらいの消耗レベルだったし。」
深「心配だね。」
口々にAへの心配を口にしながらも
なんだかんだいって心の片隅では、
「Aだったら大丈夫だろう。」
なんて甘いことを思っていたのかもしれない。
だから、驚いたんだ。
"トントン"
スタッフ「失礼します。
マネージャーさん、雪白さんが...」
時田「え...すぐ行きます。」
スタッフさんの声にみんなが一斉に振り返る。
今、"雪白さん" って言わなかったか?
蓮「...Aちゃん、何かあったのかな?」
康「大丈夫やんな...?」
"ガチャ"
翔「ねぇ。今日、なんでアイツが来てんの?」
『アイツ?』
トイレから戻ってきた翔太の言葉に
みんなが首を傾げる。
翔「あの早川っていう統括責任者。
ほら、Aを目の敵にしている奴。」
ラウ「え、早川さんが来てるの?」
翔「うん。今、トイレの前で会ったんだけど。」
『早川さんがなんで...?』
今、時田さんが出て行ったことと関係があるのか...?
深「早川さんって、衣装室の方にいた?」
翔「いや。テレビ局のお偉いさんと一緒にいたから
衣装室には行っていないと思うけど...」
深「じゃあ関係ないか...」
翔「え、なに?」
舘「今、時田さんがスタッフさんに呼ばれて出て行ったんだよ。その時に、スタッフさんがAの名前を
言っていた気がして...」
翔「...なんかあったってこと?」
阿「こんなに不特定多数がいる場所で
何かするとは思えないし、多分無関係だよ。
時田さんが呼ばれたのだって
もしかしたら衣装のこととかかもしれないし。
とりあえずAが戻ってこないなら
出演するつもりだっていうことだから。」
阿部ちゃんの言う通り
Aが予定通り出演する予定ならば
俺達が下手に騒がない方がいいに決まっている。
『そうだね。今は下手に動かない方がいい。』
康「あ、Aが出てきた。」
蓮「あれ...?泣いた...?」
めめの言う通り、Aの目は少し赤くなっていた。
それでも笑顔でステージに立つAは
誇らしくもあり、心配でもあった。
7455人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みるくてぃー | 作成日時:2021年10月28日 19時