9話 ページ13
▽
「 ふぅ、終わった終わった。
ありがとう千切くん、おかげで助かったわ 」
「 ……ならいいけど 」
ボールの片付け。
コートの点検。
選手の忘れ物チェック。
1時間以内に終わらせられたのは、紛れもなく千切のおかげである。
「 この前もひとりでね、ずぅっと作業していたのだけど。
絵心さんに見つかって、早く寝ろってお説教されたばかりなの 」
「 ……ひとりで? 」
「 そう。だって睡眠時間が短くなるでしょう。
深夜までの仕事は、あまりあの子に押し付けたくないの 」
「 あの子って……姫花か? 」
「 ご明察。私は姫花ちゃんと違ってショートスリーパーだから。
あの子にはしっかり寝てもらって、
私は眠くなるまでの時間を仕事に費やす。
そうすれば、あの子は翌日元気にあなた達にご奉仕してくれるし、
私も翌日に仕事を持ち越さないで済む 」
効率的でしょう?と、口元に手を添えて笑ったAを、
千切は唖然とした表情で見ていた。
それは、つまり。
この深夜の重労働を、彼女ひとりでこなしていたということで。
じゃあ、姫花は?
アイツは何をしていたんだ。
日中はずっと俺たちに付きっきりだったんだぞ。
ドリンクはいつ作った?
タオルはいつ洗濯している?
Aの言葉を受け、千切の心に疑心暗鬼が生じる。
「 ……言っておくわ、千切くん。
姫花ちゃんが仕事をしていないわけじゃないのよ 」
「 っ、え 」
全てを見透かしたかのような瑠璃の瞳に、
千切は思わずたじろいだ。
「 適材適所、という言葉があるでしょう。
選手のメンタルケア……
接触による癒しを与えるのは、私より彼女が適役なの。
それに対して私は、裏方のほうが合っていてね。
どの時間に何を行うか、
ひとりの方が都合良く作業が進むのよ 」
だから、とAは優しい笑顔で続けた。
幼子をあやすかのような、柔らかな声で。
-
( あの子はあの子なりの仕事を、きちんとこなしてるの )
( ……そう、か )
( ……あ、この話は秘密にしてね。
君は姫花ちゃんと特に仲が良さそうだったから話しただけ )
( ……おう、分かった )
( ふふ、いい子 )
-
10年に1度の大寒波
と言えど、私の地域は寒いだけで雪降りません
皆様の地域はいかがでしょうか
積雪などには、十分にお気を付けくださいね
▽
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←8話
1296人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もこ(プロフ) - 私愛され&逆ハー大好物なので嬉しいです!ブルーロックのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (7月15日 12時) (レス) @page13 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - やば、、、!めちゃ好きです!これからも無理せず更新頑張って下さい!応援してます! (2023年2月18日 13時) (レス) @page13 id: 363e501944 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 今日めっちゃ寒かった… (2023年1月25日 20時) (レス) @page13 id: 6868ad981d (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 😎👍 (2023年1月18日 9時) (レス) @page11 id: 6868ad981d (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 清々しい………!面白いです! (2023年1月13日 22時) (レス) @page5 id: 001dbf15df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆずりは | 作成日時:2023年1月13日 18時