7話 ページ11
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-凛side-
「 やっぱり、1人くらい残ってると思ってた 」
ふと、そんな女の声がする。
シュートトレーニング中だというのに、邪魔が入った。
何度か練習の邪魔をしに来た、
あのウザったいマネージャーがまた来たのか。
イライラしながら振り返る。
そこに居たのは、
「 オーバーワークは身体に毒ですよ、糸師凛くん 」
_____夜の静寂が、似合う女だった。
夜がもたらす黒が歩くかのように静かに、
すらりとした肢体がゴール近くまで進んでいく。
ひとつひとつ。
散らばったボールを抱えては、コートの外へ掃けていた。
「 おい、何のつもりだ 」
「 何って。今日はもう切り上げてもらおうと思ったの 」
「 テメェに俺の練習に口出しする資格があんのかよ。
退け、トレーニングの邪魔…… 」
「 あるわ。マネージャーですもの 」
そう言った女は、
気づけば俺のすぐ目の前に立っていた。
……なんだ、こいつ。
いつの間に、俺との距離を詰めていた。
俺に、一切悟らせずに。
「 それに、早くシャワールーム使ってもらわないと困るの 」
「 何故 」
「 見回りをするのも、マネージャーの仕事だからよ。
あなたがシャワールームを使ってくれなきゃ、
私はいつまで経っても見回りのお仕事を完了出来ないの 」
「 そんなの、俺には関係無 」
「 なら、言い方を変えるわ。
マネージャーが前日寝不足で体調を崩し、
選手達に怪我人が続出してしまった時はどうするの? 」
「 …… 」
「 あなたも例外ではないの、糸師凛くん。
あなたはこの監獄の中でもずば抜けたストライカー。
それが、怪我なんかで試合に出れなくなったら困るでしょう 」
「 ……それは 」
「 はいはい、わかったら大人しくシャワールームに直行。
片付けは私がしておくから、ね?いい子だから 」
「 ……チッ 」
俺から目を逸らすことなく説教を垂れる女なんて、
コイツが初めてだった。
しかもなんで若干子ども扱いなんだよ、ふざけんな。
「 ボールも綺麗にしておけよ 」
「 当たり前でしょう、コートの整備まで終わらせておくわ 」
「 ……そうかよ 」
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( ……ボール、こんなに汚れてる。
随分長時間練習していたみたいだけれど……
ふふ、血は争えないのね。冴にそっくりだわ )
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もこ(プロフ) - 私愛され&逆ハー大好物なので嬉しいです!ブルーロックのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (7月15日 12時) (レス) @page13 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - やば、、、!めちゃ好きです!これからも無理せず更新頑張って下さい!応援してます! (2023年2月18日 13時) (レス) @page13 id: 363e501944 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 今日めっちゃ寒かった… (2023年1月25日 20時) (レス) @page13 id: 6868ad981d (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 😎👍 (2023年1月18日 9時) (レス) @page11 id: 6868ad981d (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 清々しい………!面白いです! (2023年1月13日 22時) (レス) @page5 id: 001dbf15df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆずりは | 作成日時:2023年1月13日 18時