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付き合うッ!? ページ7

真っ赤に染まった頬が体温を増す。

手から体温が伝わり段々と熱くなってきた。

「すごく熱いね…」

「…太宰さんって平気でそんな事言えるんですね」

上目遣いに私を見上げる鈴。

平気ではないのだけどねぇ。

私の心臓は痛い程脈打っているというのに。

目の前にいるこの子には分からない。

「大人だからねぇ」

「私なんかよりも大人の女性の方が良いですよ?」

彼女よりも大人の女性?

「そんな選択肢は持ち合わせていないよ」

「…何で?」

「君が好きだからね」

猫になっても側に居たいと思うなんて君が初めてだよ。

どうしても君の側に居たいんだ。

「私よりも…「其れ以上言ったら唇を奪ってしまうよ?」え…」

他の女性が良いなんて思う訳が無い。

「これ程年の差がある君を、私は好きになってしまったのだよ」

私を猫だと勘違いして拾った時の笑顔や、私に向ける笑顔が好きだ。

「私、太宰さんの事はまだ知り合ったばかりで何も分からなくて…」

「此れから知っていってくれるかい?」

コクンと頷いてくれた。

途端にとても嬉しくなってしまう。

年の離れた彼女に此処まで溺れてしまうなんてね。

猫にも愛情を持って接する彼女が愛しくてたまらないのだ。

「じゃあ、私達は恋人だね」

「えッ!?付き合ったんですか」

ビックリして目を見開いていた。

「私の事を知ってくれるのだろう?なら、付き合おうじゃあないか」

「でも私…」

「駄目かい?私は君が誰かに盗られるかも知れなくて心配なのだけどねぇ…」

私以外にも彼女を想っている人間は多いのだから。

気が気ではないよ。

「うっ…太宰さんそんな所だけ可愛く言って」

可愛い?私が?

「私は男なのだけど?」

「女性だったら美人さんでしょうね!」

にこやかな笑顔で告げられる。

「君は私が女性だった方が嬉しいのかい?」

「え?太宰さんは太宰さんですよ」

無垢な瞳で私を見上げた。

「…そうだねぇ」

彼女らしいと言えば彼女らしい答えに少し苦笑した。

私が何者であっても君はそう言ってくれるのかな?

猫になってもそう言ってくれると良いなぁ。

「そうですよ」

「そうだった、社に用事があったのだよ」

「お仕事ですか?」

嘘なのだけどね、少し試してみたいのだよ。

「すぐ帰って来るよ」

「はい」

彼女の頬に手を添え一房の髪を手に掬い、軽くキスをした。

「じゃあね」

パタンと扉を閉じる。

君は知ってるかい?

髪へのキスは思慕という意味が込められている事を。

君の表情は?→←マジック



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - 有難うございます!更新遅くならないようにしますね! (2017年6月10日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2017年6月10日 10時) (レス) id: ce2af6657d (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 有り難うございます!そう言ってもらえると嬉しいです (2017年5月21日 8時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 夏さん» 頑張って書きますね!コメント有り難うございます! (2017年5月21日 8時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 面白いぃぃぃぃ!!(ΦωΦ)更新がんばって! (2017年5月21日 8時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年5月14日 18時

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