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バレちゃった? ページ10

私は渋々立ち去ろうとする彼に問い掛けた。

「所で、君と彼女の関係は?」

「彼女のボディーガードだ」

ボディーガードとは、困ったねぇ。

彼女の家柄は相当な物なのだろう。

どうしても私は彼女が欲しいのだけどなぁ。

「彼女は気付いているよ」

だからごめんなさいと言ったのだ。

期限を付けたのも、それら全て理解していたのだ。

「鈴様を家に連れ戻すのだ!」

「行かせないよ。私が彼女を貰う」

誰にでも分け隔てない彼女を。

私は君達に渡さない。

絶対に渡さないよ。

「出来るわけが無い」

「さぁね、彼女の意思があったらどうだい?」

「ッ‼」

「まぁ、早く帰り給えよ」

私の機嫌が損なわれない内にね。

青年は僅かにたじろぎ部屋を出て行った。

さて、そろそろ戻らなくてはね。

「にしても、良く寝ているねぇ」

スースーと吐息を立てて眠っている彼女を優しく撫でた。

僅かに鈴が動き口から甘い声を漏らした。

こんな風に寝ていると年相応なのに何時もの彼女は一回り年上に見える程のしっかりとした表情をする。

さて、彼女の為に猫に戻りたいな。

やがて私の手は人間の手では無く猫の手になった。

私の頭には猫耳が付いている。

猫になるのは良いのだけど、彼女の為に成りたいと願わないと成れない。

彼女の為だけに猫に成れると言った方が正しいかも知れない。

「え?…クロ…は、太宰、さん…?」

困惑した声が耳に届いた。

ハッとしてそちらを向く。

其処には驚いた顔で私を見詰めている鈴が居る。

先程目が覚めたのだろう。

私に畏怖と嫌悪の表情を見せるだろうか?

それとも、悲しむだろうか?

私を嫌いになってしまうだろうか?

「太宰さんが…クロ何ですか?」

やがて鈴が口を開いた。

うつむいていて其の表情は分からない。

「そうだと言ったら、私を嫌いになるかい?」

嫌な汗が出て緊張する。

彼女は私がクロだと知らずにずっと一緒に居たのだから。

「…嫌いにはなりませんよ!」

焦った声が返ってきた。

「そうかい?…はぁ、良かったよ」

薄暗い中で鈴をゆっくりと抱き締めた。

鈴は私の腕を跳ね除けようとはしなかった。

「其れが太宰さんの異能力何ですか?」

「いや、君の事になると私は猫になってしまうのだよ」

其れも意図しても意図せずとも成ってしまう。

「私の事になると?」

「そう、私は君の事が好きで好きでたまらないのだよ」

猫になる程に、ね?

あれ?と言う事は…→←得策



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設定タグ:太宰治 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - 有難うございます!更新遅くならないようにしますね! (2017年6月10日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 面白かったです!これからも更新頑張ってください! (2017年6月10日 10時) (レス) id: ce2af6657d (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 白夜の幻想者さん» 有り難うございます!そう言ってもらえると嬉しいです (2017年5月21日 8時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 夏さん» 頑張って書きますね!コメント有り難うございます! (2017年5月21日 8時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
白夜の幻想者 - 面白いぃぃぃぃ!!(ΦωΦ)更新がんばって! (2017年5月21日 8時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年5月14日 18時

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