婚約者だ ページ30
太宰side
「…中也」
「手前何で太宰に抱き締められてんだよ‼」
ズカズカと部屋に入って来た中也が私の腕の中から雪無を奪った。
何で君は私から雪無をとるんだい?
私の雪無だよ。
そう言いたくても雪無の気持ちが分かる為に何も言えない。
「…帰ってよ」
雪無が中也に抱き締められている。
眉を寄せて泣きそうな表情だ。
どうせ、今更気付いた事を後悔しているのだろう?
「手前の本音が其れなら帰るけどなぁ?」
中也が雪無の顔を見ながら言う。
何で、何で私は此処に居るのかなぁ？
こんな所を見たくないよ。
こんな雪無の表情知りたく無かったよ。
「中也に怪我負わせちゃったし…」
「そんなの気にすんなよ」
ぽんっと頭に手を置く中也。
あぁ、嫌だなぁ。
触れないでよ。
「…嫌われたかなって思った」
雪無が涙を目にためて言った。
何でそんな顔するの。
私には見せた事が無い表情を中也に見せないでよ。
私も愛しているのだよ？
ねぇ、私の想いを君は受け取ってくれないのかい?
でも、私は雪無の兄だから。
家族で居るって約束したから、私は君の望みを叶えるよ。
君の望む事全て私が叶えてあげる。
兄という立場に居ても君を愛している事位許してくれ給えよ？
「バーカ、俺が手前を嫌う筈がねぇだろ？
俺は手前が好きなんだからよ」
今回だけは中也に譲ってあげるよ。
私の可愛くて愛しい妹を。
「…良かった」
ほっとしている雪無に矢張り愛しさが込み上げてくる。
まだ当分は君を諦め切れないだろうけどね。
其れでも、私は君の兄だから。
応援してあげるよ。
「姐さんの異能力使うなら俺の異能力使えよ」
「ヤキモチかい？中也」
何故異能力の事まで嫉妬しているのかなぁ？
あーあ、私の物になっていたら私は雪無と結婚したかったなぁ。
「違ぇーよ！手前はもうコイツに手を出すんじゃねぇぞ！」
「其れは無理だねぇ」
「ひゃあっ！」
中也の腕の中にいる雪無の耳を撫でた。
つい最近知ったのだよね、耳が弱いなんてさ。
「手前！」
「雪無、中也と結婚するのだろう?」
「其れは…無理かな」
雪無の顔がさっきと打って変わって真っ青になった。
「何でだよ!」
「…森さんの物だから。私は森さんの許可無しに動けない」
森さんも諦めが悪いなぁ。
「手前は物じゃねぇよ。俺の婚約者だ」
「…ありがと」
妖艶で惹き付けられる笑顔で雪無が嬉しそうに微笑んだ。
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彼岸花(プロフ) - ハクさん» ありがとうございます!外しますね！ (2017年4月28日 6時) (
レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 更新頑張ってください！あとオリジナルフラグついちゃってますので外した方がいいですよ！ (2017年4月28日 0時) (レス) id: 394f4347ab (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!兄妹難しいですね…。大分大変です。更新頑張ります！ (2017年4月21日 6時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
和(プロフ) - 兄弟愛大好きです！！更新いつまでも待ってます！ (2017年4月21日 6時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年4月16日 10時
