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連れ出して ページ10

話を聞き終わり太宰が口を開いた。

「睡蓮はマフィアじゃなくて此処に居た方が良いね」

其れは、外に出れないと言う事だろうか?

「…嫌よ。私は外に出たい!」

私を連れ出した太宰からそんな言葉が出るなんて。

悲しくなってしまう。

「睡蓮、良く考えるんだ」

確かに私は水に濡れると人魚に戻るけれど。

「…お願い。私を連れ出して…」

「「…ッ‼」」

私は自由になりたい。

「手前な、知られたらどうすんだよ」

「忘れさせるわ」

出来なくは無い。

「睡蓮。君が人魚になったら殺されてしまうよ」

太宰が私の目を見て言った。

其れでも、其れでも自由を奪われてしまう様で嫌なの。

どうしようもなく怖いの。

また、自由を奪われてしまうんじゃないかと。

「分かったよ」

「外に出ても良いの?」

太宰の呆れた声が降ってきた。

「私達が側に居ればね」

「ええ、其れは心強いわ」

嬉しくて笑みが溢れる。

「手前の服買いに行くか?」

服って今着ている物とかかな?

「私好みの服を買ってあげるよ」

「任せるよ」

太宰と中原の服を見ると黒い。

闇に溶け込み見失ってしまいそうだ。

「…知ってるかい?」

太宰が楽しげに笑った。

「何を?」

「男性が女性に服を買うのはねぇその後に脱が…ごふっ‼」

「何教えようとしてんだよ‼」

太宰の言葉の途中で中原が太宰を蹴った。

「大丈夫?」

太宰の蹴られた所を擦る。

意外にも男らしい身体付きで戸惑ってしまう。

何となく鼓動が速くなる。

「大丈夫じゃ無いよ」

するりと太宰が手を絡ませてきた。

妖艶に微笑まれ、顔が熱くなる。

「もしかして照れた?」

にやっと笑って太宰が言った。

「違っ…チュッ…え?」

今何された?

頬にキスされてしまった。

「可愛くてついね」

「手前ッ‼死にやがれ‼」

また蹴りを入れられる太宰。

ヤバイ、心臓が痛い。

何でこんなに苦して嬉しいの?

分からないけれど、太宰の顔が見れない。

「大丈夫か?」

「えぇ、大丈夫よ」

中原が心配して聞いてくれた。

チュッ…

「え⁉」

「ん、消毒な」

少し顔を赤らめた中原が言った。

チュッ…

「はい、消毒ね」

また太宰からされた。

「手前俺がつけてんだよ」

先程から頬が熱い。

「チュウッ…はぁ、痕ついたかなぁ?」

「んぅ…何したの?」

首筋に太宰が顔を埋めていた。

「ズリぃ、カリッ…」

「い、たい…」

首筋に痛みが走る。

「綺麗な声だよねぇ」

「だなぁ」

妖艶に嗤う二人。

洋服店の人?→←逃げ出した花嫁



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 人魚姫   
作品ジャンル:恋愛
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心結(プロフ) - いえいえ!笑 小説書き頑張ってね(*^^*) (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心結さん» 分かるよー!ありがと(≧▽≦) (2017年9月14日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - 多分誰かは分かると思いますけど笑 色々読ませてもらいますね、爆笑 個人的にこのお話は結構好きですよー。 (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月31日 9時

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