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人魚なのだね ページ8

睡蓮side
そう言われて見てみれば、足には私の人魚のヒレがついていた。

本当の自分の姿だ。

嬉しくて私は脚を動かす。

「わっ!冷たっ!」

「手前暴れんな!」

水がかかった様で怒られてしまった。

嬉しくてつい。

でも、私は王女なのだから毅然としていないと。

「ごめんなさい」

「其れは良いのだけど…」

太宰と中原の顔がほんのりと赤い。

其れでも綺麗な顔が良く映えた。

「何かしら?」

「服を着給え!」

太宰からそう言われて自分の姿を見る。

何故かしら?

「皆こうよ?」

「…君は警戒心を持つべきだよ」

「早く着やがれ!」

仕方なく私は服を取ろうとする。

バスタブから上がるとコケてしまった。

当然だ、人間の脚では無いのだから。

「大丈夫かい?」

「ええ」

太宰がお姫様抱っこで持ち上げてくれた。

でも、違うのは人間の脚じゃない事。

「乾いたら元に戻るかな?」

「そんなもんなのか?」

「分からないわ。魔女はそんな事一言も言わなかったの」

小瓶を思い出しながら私は言う。

魔女に会いに行こうかしら?

そうしたら小瓶の中の液体の事も分かる。

何か知らずに飲んでしまったわ。

「…睡蓮」

「どうしたの?」

「ごめん…服着てくれないかい?」

太宰と中原は顔を真っ赤にして私に言った。

再度私の姿を見ると、人間の脚になっていた。

「まぁ…ん?」

よくよく考えれば私は一切何もまとわない姿。

つまりは裸だ。

「ッ〜!?!?」

声にならない悲鳴を上げて私は服を掴む。

足早に太宰の手から逃れて私は服を着た。

「…ごめんなさい」

「「あ、あぁ」」

二人は視線を彷徨わせて答える。

「見苦しい物を見せたわ…」

だいぶショックで私は頭を抱える。

何を考え事してたのかしら?

「見る気は無かったのだよッ!?」

「勝手に戻ったんだッ‼」

太宰と中原が必死に訴えてきた。

「ええ、太宰と中原はそんな人じゃ無いわ」

私がそう言うと、やや遅れて返事が返ってきた。

「…ソウダネ」

「…ソウカ」

何故か傷付いた顔をしていた。

「私、国の為の結婚があったから他人にこんな姿何て見せては駄目だと言われたのよ」

私の方も傷付いてしまう。

見苦しい物を見せたわ。

そんなに嫌だったのね。

「結婚?」

「本当は今日式があるのよ」

逃げ出した花嫁ね。

「其れは良かったよ」

「手前人を好きに何ねぇんだろ?」

「国の為なら私は…」

そう言いながら私の目に涙が溜まり零れ落ちた。

逃げ出した花嫁→←私の声は…



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 人魚姫   
作品ジャンル:恋愛
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心結(プロフ) - いえいえ!笑 小説書き頑張ってね(*^^*) (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心結さん» 分かるよー!ありがと(≧▽≦) (2017年9月14日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - 多分誰かは分かると思いますけど笑 色々読ませてもらいますね、爆笑 個人的にこのお話は結構好きですよー。 (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月31日 9時

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