検索窓
今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:12,974 hit

ニンゲンデスヨ? ページ6

固まったまま微動だにしない睡蓮。

そんな表情も、彼女の気品さを惹き立てていた。

こんなに綺麗な彼女は、触れたら壊れてしまいそうだ。

「何者って、私は記憶喪失で自分の名前しか思い出せないわ」

そっと目を伏せて睡蓮が言った。

「記憶喪失だって嘘だろう?」

睡蓮が怯えた様に私を見上げた。

「…嘘じゃ無いわ」

瞳には恐怖が宿っている。

「別に殺しはしないさ」

私が言うと、少し迷った様に目を泳がせた。

「…人間じゃねぇのか?」

中也がやや言いにくそうにそう言った。

「…ワタシニンゲンデスヨ?」

「「嘘だろう/嘘つくんじゃねぇよ」」

分かりやす過ぎる。

人間と言う言葉には、過剰に反応している。

やはり、人間じゃないのだろう。

睡蓮は海辺にいた。

…人魚?睡蓮が?

童話じゃあるまいし。

異能力の線は無さそうだ。

私に触れているのだから。

「…外の空気を吸いたいわ」

睡蓮が外に出ようとした。

その手に隠し持っている短剣は何だい?

私は彼女の手を掴む。

「自サツ何てさせないよ?」

「ッ!…違うわ」

鈴の鳴る様な声で否定した。

「手前自サツ何てすんなよ」

「私は、貴方達に殺されるなら自分で自害するわ」

瞳には決意が宿っている。

王の様な気高さと気品を漂わせていた。

何て気高くて誇り高い女性だろうか?

こんな女性に今まで一度も会った事が無い。

「殺さないと言っただろう?」

「私の正体を知ったらそんな事を言えないでしょう?」

きゅと眉を寄せて睡蓮が私達を睨んだ。

「殺さねぇって言ってんだろ?早く教えろよ」

中也が急かすと、睡蓮が迷っていた。

「じゃあ武器を捨てよう」

私は武器等を睡蓮の前に捨てた。

睡蓮は目を丸くして見ていた。

「…銃…?」

初めて見る様な表情だ。

「そうだよ。さぁ、教えてよ」

睡蓮は銃を見て、私達を見てから口を開いた。

「…人魚、なの」

小さくかすれる声で囁いた。

「人魚?」

「人間は恐い生き物なのでしょう?」

睡蓮がそう聞いた。

人魚…睡蓮は水が似合う。

「何でだよ」

「殺された人魚がいるわ」

「童話があるからねぇ」

いるだろう、人間とはそういう生き物だ。

「そう…その方が良いのかも知れないわ」

一瞬だけ瞳に陰った光がよぎった。

「何故だい?」

「…人魚の世界は人間の世界よりも酷いわ」

「ねぇ、何故恋が出来ないんだい?」

少し其処だけが引っかかるのだ。

何を隠してるんだい?

私の声は…→←選んで?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 人魚姫   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

心結(プロフ) - いえいえ!笑 小説書き頑張ってね(*^^*) (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心結さん» 分かるよー!ありがと(≧▽≦) (2017年9月14日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - 多分誰かは分かると思いますけど笑 色々読ませてもらいますね、爆笑 個人的にこのお話は結構好きですよー。 (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月31日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。