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選んで? ページ5

太宰side
何方も選ばないと彼女は言った。

彼女の人を好きにならないと言った声が頭の中で反芻する。

知れば知る程、好きになっていくのに。

「ねぇ、離してくれない?」

綺麗な声が耳に響く。

まるで鳥が囀った声の様だ。

カナリアの様な声に見る者を魅了する顔立ち。

彼女を取り巻く全てが幻想的で浮世離れしている。

「私を選んでよ」

彼女を鳥籠にいれて置きたい位だ。

「私は恋を出来ないのよ」

気品と優雅さを漂わせる物腰に声。

しないじゃ無くて、出来ないと言った。

何か秘密があるのだろう。

「手前は俺に恋をしろよ」

「中也。睡蓮は私に恋をするのだよ?」

睡蓮が困惑した表情で眉を寄せた。

「聞いてましたか?」

そう聞く睡蓮は、貴族か王族に間違いそうな程気高い。

「勿論聞いていたさ」

でも、何処にも睡蓮何て人間は居なかったのだよね。

「手前が俺を選んだら金平糖やるぞ?」

その言葉に睡蓮がピクリと反応した。

「私を選んだらもっと綺麗な物を見せてあげるよ?」

睡蓮が釣られて此方に来ようとした。

「…遠慮しますよ」

少ししょげている睡蓮を私は撫でた。

「少しは考えて置いてくれ給えよ?」

「…そうですね」

金のまつげを伏せて、睡蓮は息をはいた。

そんな彼女を見ていると、作り物に見えてくる。

「綺麗だな」

「貴方達の方が綺麗よ」

ふわりと微笑む睡蓮。

中也の方を見て笑うなんて酷いなぁ。

「此方を向いてよ」

私の方に睡蓮を向かせる。

本当に作り物めいている。

「太宰…?」

睡蓮が綺麗な澄んだ声で私を呼んだ。

「君は私と同じ人間に見えない位美しいね」

お世辞等無く、本心を言う。

これ程までに惹き付けられる女性に今まで会った事が無かった。

睡蓮が目を見張っていた。

「睡蓮?」

中也が呼び掛けると、睡蓮は固まった笑顔のままで中也を見た。

「…ワタシニンゲンデスヨ?」

えええええッ!?

何その嘘の下手さは!?

本当に人間じゃないの!?

「…そ、そうか」

中也何て驚いて固まってるし。

「そうですよ。太宰変な事を言わないで」

何時もの調子に戻って睡蓮が言った。

確かに人間味が無い睡蓮だけど、本当に人間じゃないのだね。

「私は褒めたのだけどねぇ?」

そう言うと、ハッとして睡蓮が私を食い入る様に見詰めた。

自分の失敗に気付いたのだろう。

私は笑顔で問うた。

「ねぇ、睡蓮。君は何者だい?」

ニンゲンデスヨ?→←私の家?



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 人魚姫   
作品ジャンル:恋愛
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心結(プロフ) - いえいえ!笑 小説書き頑張ってね(*^^*) (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心結さん» 分かるよー!ありがと(≧▽≦) (2017年9月14日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - 多分誰かは分かると思いますけど笑 色々読ませてもらいますね、爆笑 個人的にこのお話は結構好きですよー。 (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月31日 9時

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