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仲が良いのね ページ3

「苦しいわ」

私は太宰に抱き締められて、苦しくて太宰の胸板を軽く叩く。

太宰は何でも無さそうに笑っていた。

その表情が綺麗で私は何となく彼のなすがままになった。

「手前いい加減に離れやがれっ!」

中原が私と太宰を引き裂いた。

「太宰と貴方は仲が良いのね」

友情で嫉妬したのね。

この二人は何処か信頼している様な雰囲気がある。

「中也と私が?」

「んな訳ねぇーだろ!!」

「貴方は以外と煩いのね」

先程から叫んでいる中原に私は言うと、中原が怒っていた。

「仲良くなんて無いよ」

太宰も批判した。

「君だけしか手は繋がないさ」

私に笑い掛けて太宰が言った。

どういう意味かしら?

「手前行く宛あんのか?」

「…無いわ」

考えてみたら何も分からず私は此処に来ていた。

兎に角自由を追い求めていたのだ。

更に、私は記憶がない事になっている。

「俺の家来るか?」

中原の誘いはとても願ったり叶ったりだった。

「お邪魔してもいいかしら?」

故に断る理由を持たない。

「私の家じゃないの?」

「あぁ?睡蓮は俺の家に来るって言っただろーが」

並んで見ると、本当に綺麗な顔立ちをしている。

私は手にあるガラス玉と彼等を交互に眺めた。

どちら共とても綺麗な事に変わりはない。

「何だそのガラス玉は」

「私があげたのだよ」

スルリと私の手からがガラス玉を取っていった。

「返しなさい。太宰から貰ったの」

「俺がもっと良い奴をくれてやる」

私の手に、ガラス玉を戻しながら中原が言った。

「太宰から貰った物は何にも変えられないわ」

中原の言い方が、まるで何でも変えがきく様で少し嫌だった。

「そんなに太宰からが嬉しいか?」

中原は少し腹立たしそうに太宰を睨んでいた。

太宰はこれまでに無いくらい笑顔だ。

「太宰から貰った物より、私の為っていう気持ちが嬉しいの」

「これやるよ」

コロンと私の手に転がったのは、可愛い包の付いた星型の物。

「…これは?」

「金平糖さ、知らないのかい?」

太宰が説明してくれる。

海の底ではこんな物は無い。

綺麗で顔がほころんだ。

「ありがとう」

綺麗な星屑の様だ。

此れは本で食べれると書いてあった。

本当にこんなに綺麗な物が食べれるのかな?

少し躊躇してしまう。

「口開けろ」

言われた通りに口を開けると、甘味が口に広がった。

「美味しい」

口の中で溶けて直ぐに消えてしまった。

儚くて甘い夢の様だ。

中原の笑顔がもっと口の中を甘くさせた。

私の家?→←貴方の方が綺麗よ



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 人魚姫   
作品ジャンル:恋愛
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心結(プロフ) - いえいえ!笑 小説書き頑張ってね(*^^*) (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心結さん» 分かるよー!ありがと(≧▽≦) (2017年9月14日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - 多分誰かは分かると思いますけど笑 色々読ませてもらいますね、爆笑 個人的にこのお話は結構好きですよー。 (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月31日 9時

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