危ない ページ13
睡蓮は大丈夫だろうか？
心配でたまらないよ。
任務はやっぱり私もついて行けば良かったな。
何かあっても多少の事は大丈夫だろうけど、心配だ。
「矢張り心配だよ」
私は直ぐ様外套を羽織り、睡蓮の元へ向かった。
ーーー
月明かりがまだ薄暗く目が闇に慣れない。
薄暗い中で人影が見えた。
ぼんやりと薄く光っている。
月明かりに髪が反射してキラキラと光を瞬かせた。
「睡蓮ッ‼」
何処か浮世離れした光景に目を奪われたが声を掛けた。
「太宰か」
落ち着いた声が返ってきた。
近付けば、睡蓮の足元には男達が転がっていた。
「…とどめは刺していないわ」
ゆるりと私の視線から避けた。
「良いよ。私が殺るから」
睡蓮に殺させる事なんてしないよ。
殺されるなんて羨ましすぎる。
私の欲しい物を手に入れてなお、私の欲しい物に命を奪われるなんて許せないからね。
「出来れば殺さないで…」
「え？」
睡蓮は潔く殺してくれと言いそうだと思っていたのだけど。
「何故だい？」
「太宰の手を汚したくない。其れがどんな命だろうと、私はして欲しくない」
気高き言葉で紡がれた声に私は聴き入っていた。
「殺さないと君の情報が漏れてしまうよ」
「…ごめんなさい、軽率な発言だったわ」
短く謝罪すると男達に向き直った。
「睡蓮!待っ…」
ザシュッ…
勢い良く血飛沫が上がった。
一瞬目を疑う。
「安らかに眠りなさい。願わくば、今度は長生き出来ると良いわね」
無表情に近く、慣れている横顔だった。
もう何回としている事をまたするかの様な動作。
「…慣れてるね」
「えぇ」
短く返事をすると私の方を向いた。
「太宰、嫌いになった?」
やや心配そうに私を見えいた。
睡蓮を優しく抱き締める。
「そんな事は無いよ」
絶対に嫌いになんかならないよ。
「手間等!何してんだよ！」
あー、煩い声がする。
「中也、静かにしてくれないかい？私と睡蓮の良い雰囲気を壊さないでくれ給え」
「なぁにが良い雰囲気だ！手間は！」
中也が怒りに任せて此方に歩いて来る。
地面が歩く度に凹んでいく。
「「睡蓮？」」
先程から静か過ぎる。
「え？あ、何…？⁄⁄⁄」
顔が赤い彼女が私を見上げた。
あれ？さっきので私に惚れちゃった？
「おい、睡蓮?」
中也が慌てて此方に来て睡蓮を掴む。
「何でも無いわ」
「そうか」
それ以上私達は口を開かなかった。
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心結(プロフ) - いえいえ！笑 小説書き頑張ってね(*^^*) (2017年9月14日 17時) (
レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心結さん» 分かるよー！ありがと(≧▽≦) (2017年9月14日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - 多分誰かは分かると思いますけど笑 色々読ませてもらいますね、爆笑 個人的にこのお話は結構好きですよー。 (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼岸花 | 作成日時：2017年3月31日 9時
