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貴方の方が綺麗よ ページ2

歩き出すと直ぐにコケてしまった。

仕方ない、初めて歩いたのだから。

「大丈夫かい?」

手を差し出されたけど私は取らなかった。

人を信用できないから。

私が取らないのを見て、太宰はやや強引に私の手を取った。

手を繋いだまま私の方に何か差し出した。

「…ガラス玉?」

綺麗なガラス玉を手渡された。

海の底を閉じ込めた様で綺麗だ。

「あげるよ」

そう言われて嬉しくはあるが海の底での事を思い出した。

「ありがと」

人間の作る物はどれも綺麗だ。

其れより綺麗な笑顔で太宰が笑った。

「綺麗ね」

「君が気に入るかと思ってね」

ガラス玉よりも綺麗な笑顔の太宰が私の手を握ったまま言った。

「私は貴方の笑顔の方が綺麗だと思うわ」

「えっ⁉…私を殺す気かい?」

顔を赤くした太宰が手で顔を覆った。

「そんな気で言ったんじゃないわ」

「…君の方が綺麗だよ」

太宰がまた嬉しそうに笑った。

「そう、ありがとう」

「君の声に、金の髪も蒼い目も綺麗だ」

サラリと私の髪をすいた。

私はこうして手を繋いだりした事が無くて少し緊張した。

「貴方は…」

「太宰!」

前に紅い髪の少年が立っていた。

いつの間に来たのかしら?

「中也じゃあないか」

「ソイツは誰だよ」

太宰よりも子柄な少年は少し強めに太宰に言った。

「人に名を聞くときは自分から名乗るべきよ」

私の言葉にようやく少年は私の方を向いた。

すると、そのまま固まってしまった。

「中也?」

太宰が嫌そうに言うと、少年はハッとして私に向き直った。

「中原中也だ」

「私は睡蓮」

中原と太宰は友達なのかしら?

そんな風には見えないわ。

「手前何処から来たんだよ」

「…何も覚えて無いのよ」

私が言うと、中原は少し顔を歪めた。

其れから私達の手元を見た。

「太宰の恋人か?」

「そうだよ!」

「違うわ。貴方は嘘つきなのね」

太宰は私を抱き寄せながら中原に言った。

「嘘じゃないさ!此れからなるかも知れないだろう?」

「違ェーのに抱き締めんじゃねぇよ」

私は中也に引っ張られた。

「貴方達は良く人と手を繋ぐのね」

私は両手を見て言う。

「ねぇ、私の名を呼んではくれないのかい?」

「私の質問に答えてくれないの?」

私の質問に答えずに太宰は要求してきた。

「呼んでくれたら言うよ」

「…太宰」

その瞬間抱き締められた。

とても嬉しそうな太宰が目に映った。

仲が良いのね→←貴方は誰?



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 双黒 , 人魚姫   
作品ジャンル:恋愛
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心結(プロフ) - いえいえ!笑 小説書き頑張ってね(*^^*) (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 心結さん» 分かるよー!ありがと(≧▽≦) (2017年9月14日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
心結(プロフ) - 多分誰かは分かると思いますけど笑 色々読ませてもらいますね、爆笑 個人的にこのお話は結構好きですよー。 (2017年9月14日 17時) (レス) id: ccce44416b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月31日 9時

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