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凄く当然の様に言われた。

「本当ですか?」

敦君が言うならそうかも知れない。

「何で敦君が言ったら信じるのかなぁ」

「治は誰でもそう言うからね」

不服そうに私にもたれ掛かって来た。

「私の部下にならないかい?」

「なりませんんッ…」

頭で考えた時には遅く、唇を奪われた。

「そう言えば食事を摂っているのかい?」

満足気に妖艶に笑った。

「先程も同僚に見られて明日どうするのだろうねぇ」

ニヤニヤと笑みが深くなっていく。

「中也が食事を作ると言っていたねぇ」

崖っぷちに立たされて行く。

「森さんはドレスを買いに行っていたなぁ」

「入ります…」

帰ったら地獄だ、明日の出勤も地獄だ。

「だから食事だけは勘弁して?」

「其処じゃないですよ奏さん!」

敦君に言われるが、私にとって一番嫌なのが食事なのだから。

「さぁ、筆記試験だよ」

渡されるテストを私は渋々解く。

どうしようか、数学と英語と理科国語はとれる。

だって医学に関係するから。

私は迷った末に社会は白紙で出した。

「もう終わったのかい?」

「うん」

サラリと丸を付けて行く。

皆がテストを覗き込んだ。

すると、最後の方で真っ青だった。

「ふざけてないよ?」

「白紙にする事は無いだろう?」

呆れた様に言われ口を尖らせる。

「社会は勉強した事無いから…何も分かんないんだもん」

凄く恥ずかしくなり、顔を手で覆う。

「学校に行ってないんですか?」

「奏はドイツに居たからね」

ええっ!?と皆が驚いていた。

「何点?私テスト受けるの初めて」

採点なんてした事無いから凄く緊張する。

「400点」

「凄いの?」

「もしかして…全部独学で勉強したのかい?」

勿論、私は現場の合間に全部学んだ。

「合格だ」

社長さんの声が響き、私は合格した。

「さて、奏。お祝いだよ」

皆が色々お菓子等を用意してくれていた。

サアっと顔から血の気が引いていく。

「お祝いだろう?」

先程の事をかなり根に持っているのだ。

「此れ食べる?」

乱歩さんがお菓子を持って此方に来た。

私は出されたポッキーを食べる。

久し振りに食べた。

「奏…私の言った事覚えているのかい?」

社内に低くて冷たい声が轟いた。

社員が驚き治の方を見る。

食べただけで分かるなんて酷い。

「い、嫌。食べてたよ?」

「へぇー何を?」

何だっけ?

「無花果?」

冷やかな笑みで私に近付いて来た。

あぁ、此れは終わったなと覚悟を決めた。

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設定タグ:文スト , 太宰治 , ヤンデレ   
作品ジャンル:恋愛
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彼岸花(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!結構中也さんて書きやすくて多めにしちゃうんですよ。是非、楽しんで読んで下さいね! (2017年3月25日 13時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
- 前作も読ませていただいてました!中也のもどかしさがなんともカッコいい!!双黒万歳!!更新楽しみにしてます! (2017年3月25日 12時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年3月24日 17時

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