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漫画の世界 85 ページ35

私のはだけている胸元を一瞥すればまた彼は運転席から前を見据えた。

拗ねてるじゃないか、子供のようだ。

「降谷さん、言ってくれないと分かりません」

私は理解したいのだ、降谷さんが理解してくれてるように。

だから、知りたいし教えて欲しい。

「知りたいんです…」

ジッと降谷さんが私を見詰める。

駄目…だろうか?

貴方の事を知りたいと思うのはいけない事だろうか?

「僕の事は信用してますか?」

冷たい声が言葉を紡いだ。

「信用してますよ、私には降谷さん以外頼る人居ませんから」

秘密を知られた上で信用している、それは事実だ。

「なら、僕の言葉は?」

「信用してます」

「嘘でしょう?僕の言った事なんて気にせずに貴女は消えてしまうのに」

悔しそうに苦しそうに表情を歪ませる。

車はゆっくりと止まり振動で彼の前髪がサラリと青い瞳を隠した。

その瞳にドキリと胸が打つ。

「ごめんなさい…」

自分のしたい事にセーブが聞かないのだ。

「これからはずっと側に居て下さい。離れる事は許しません」

そんな勝手に決められても困る。

「仕事は…」

「勿論僕とずっと一緒です。信用してくれてるんでしょう?」

そう言われてしまえば何も言えなくなってしまう。

「は、い…」

渋々と了承すれば彼は車の鍵をかけた。

「指輪を貰った事はありますか?」

指輪か、まぁあると言えばあるがこの世界ではない。

「ありますよね?」

「一度ですよ?」

「その男の方が良いですか?」

元カレと降谷さんを比べると言うのだろうか?

比べたくもないし、絶対に降谷さんの方が良い。

「降谷さんは特別ですよ。自分でも良くわからないけど、降谷さんから貰ったものも私には特別なんです」

貰った指輪は何故か私には特別で、大切なのだ。

彼の事が好きなのかなって、少し思うくらい大事だ。

「僕の事は、異性として見て好きですか?」

異性として、確かに降谷さんと居れば胸が痛い程高鳴ってるが…。

「私もそうなのかなって思ったんですが、多分憧れてるんです」

タダの勘違いだった。

彼が誰といても嫉妬しないのだから、好きな筈がない。

だって、憧れなら一緒に居られる。

「へぇー、憧れですか?本当に?」

コクリと頷けば彼は心底嬉しそうに笑った。

機嫌が直ったのかな?

「気付かないなら、気付かせてあげますよ」

彼はその綺麗な顔を嬉しそうに綻ばせた。

そして降谷さんの言葉に私は後々後悔する事になる。

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シュレイ - あのすみません、細かいところですが、発振器ではなく発信機だと思いますが。 (2020年5月21日 1時) (レス) id: 132ffd09d3 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - yunaさん» 凄く恥ずかしい間違いばかり、すみません、書き直しますね。教えて下さり有難う御座います! (2018年11月25日 22時) (レス) id: a8eb0affba (このIDを非表示/違反報告)
yuna(プロフ) - すみません、作品が面白くもったいないのでいくつか使い方が間違っているところを指摘させていただきます。(中:70)の、”痴女のもつれ”じゃなくて”痴情のもつれ”です。あと、(上:45)の”かぶりを降れば”は”かぶりを振れば”が正しいと思います。 (2018年11月25日 22時) (レス) id: 816513f0c9 (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - まりんごさん» ありがとうございます!楽しんで貰えれば幸いです! (2018年11月12日 21時) (レス) id: a8eb0affba (このIDを非表示/違反報告)
まりんご - とても面白かったです!頑張って下さい! (2018年11月12日 21時) (レス) id: d23e2c0308 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2018年10月31日 1時

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