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チョコいらない? 太宰 治 ページ22

太宰side
「奏、チョコいらない?」

仕事をしていた奏に言うと、怪訝な顔をされた。

「バレンタイン渡してないですよ?」

そう、くれなかったのだ。

一応私達は、付き合っている。

「いらないのかい?」

「いりますけど、何が入っているんですか?」

目敏い、実はお酒が入っている。

「ジュレだよ。ほら、口空けて?」

じーと見た後、口をあける奏。

「ん。美味しい。」

どうやら信じたようだ。

奏はお酒に弱いからね。

「貴様ら、何をやっているんだ!」

「チョコを食べているのだよ。」

国木田君が来たので、私は奏から手を離して彼と話す。

「わっ!奏何すんの!」

後ろから乱歩さんの驚いた声が上がった。

しまった!と、思ったときには遅かった。

「んー。」

顔の赤い奏が、酔って乱歩さんに抱きついていた。

「奏、おいで。」

「んー、太宰さんのバカー。」

此方に来て早々に、私にそう言った。

「ええっ!?いきなりどうしたんだい!」

「だってー、バレンタインとかもチョコ用意したのに君を食べるとか言って次の日大変だったもん〜。」

「わー!!奏、此処は社だからね!?」

後ろを向くと、探偵社の皆が軽蔑の眼差しを送っていた。

「んー?本当だぁ。」

顔の赤い奏は、気にした様子はなく抱きついてくる。

「嫌嫌、皆私から距離とらないでくれないかい!?」

段々と、皆が私から離れて行っていた。

「何か、酔った気がするー。」

「奏も、少し黙ろうか!私死にそう!!」

「「「良かったですね。」」」

皆が声を揃えて言ってきた。

嫌、本当に死にそうなのだけど…。

「今日は帰ります!!」

そう言い残して、探偵社を後にした。

奏を、家に連れ帰り水を飲ませる。

すると、やっと酔いが覚めたのか起き上がって場所を確認した。

「あれ?何で太宰さんの家にいるんですか?」

あの量で酔って記憶がないとかたちが悪い。

「君のチョコも私で良いよね?」

「え?いえ、嫌です!」

ブンブンと、痛いほど首を振る奏を、私は捕まえる。

「君に拒否権はないのだよ。」

「明日、仕事行きたいです!」

私の手から逃れようともがくが、力の差は歴然だ。

「さて、君は乱歩さんに抱きついたからねぇ。」

「ひゃあっ!?太宰さんッ!?」

細い手を固定して、私は奏の首筋に吸い付いた。

「許さないよ?」

ーーーー

次の日、奏は乱歩さんに平謝りするのをまだ知らない奏

俺のだ 中原中也→←チョコいるか? 中原中也



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彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» ありがと (2017年3月20日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - 彼岸花さん» はい。 (2017年3月15日 23時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» え、本当ですか!? (2017年3月15日 23時) (レス) id: 96fec89993 (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - 彼岸花さん» 済みません、もうはずせてようですよ? (2017年3月15日 22時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» やってみます! (2017年3月15日 22時) (レス) id: 96fec89993 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年2月20日 18時

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