チョコいるか? 中原中也 ページ21
中原side
「ったく、何処行ったんだよ。」
「誰がですか?」
「うわっ!?」
朝から探していた奏の声が後ろから聞こえた。
驚いて後ろを向くと、奏の手の中にはお菓子が一杯あった。
「そんなに驚かなくても良いじゃないですか。」
不服そうに奏が俺の顔を覗きこんでくる。
「すまねぇ。手前その菓子は何だ?」
俺が指摘すると、にやっと笑った。
「後輩がくれたんですよ!良い日ですねぇ。」
良い日?
今日は確か、ホワイトデーだ。
「チョコやったのかよ?」
「いえ、あげてませんよ?」
キョトンと、首を傾げる奏。
「お返しじゃねぇのか。」
「え?お返し?」
実は、俺は奏にバレンタインのお返しをしようと朝から探していたのだ。
「バレンタインのだよ。」
「ええっ!?嘘。どうしよう…。」
かなりビックリしてるということは…、
「やってねぇのか?」
「はい。でも、チョコはせがまれましたけど。」
確かに、こいつはモテるからな。
「俺にだけじゃなかったのかよ。」
つい、口からこぼれ落ちた。
「中也先輩にだけですよ?」
「じゃあ、その菓子貰うんじゃねぇよ。」
俺は菓子を取り上げる。
俺だけだったら、他は要らねぇだろ?
「ダメです!食べたいです!」
必死に背伸びして、取り替えそうとする奏が、可愛く見えた。
背は、余り変わらないが俺の方が高い。
「俺は手前が食べたいから、早く来い。」
「へあっ!?中也先輩!?」
ヤバイ…、本音がでてしまった。
まぁ良いか。
こんなに可愛く奏の顔が見れたし。
「ん、嫌か?」
「嫌じゃない、です。」
顔を赤く染め、奏は大人しくなる。
「そうか。」
ドンッと、壁に奏を押し付けキスをする。
「中也先輩、何するんですか…。」
ムッとした奏が、俺を見上げてくる。
そんな顔も良いなと思う。
「壁ドン。手前、知らねぇのか?」
「え、はい。」
疎いからな、こいつは。
何か心当たりがありそうな顔をしている。
「誰かにされたのか?」
「えっ?…と、カッコいいですね!!」
「されただろ。」
話題をそらす奏に、俺は顔を近づける。
「いえ、あの、されてないかもです!」
「んだよ、それは。」
「顔近いです。」
「チョコいるか?」
「はい!」
そう言った、奏の唇をふさいだ。
「ッ…、チョコ普通に食べたいです。」
「あ?食べさせてやってんだよ。」
なくなっても、奏と唇を合わせていた。
★押せよ?
140人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» ありがと (2017年3月20日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - 彼岸花さん» はい。 (2017年3月15日 23時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» え、本当ですか!? (2017年3月15日 23時) (レス) id: 96fec89993 (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - 彼岸花さん» 済みません、もうはずせてようですよ? (2017年3月15日 22時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» やってみます! (2017年3月15日 22時) (レス) id: 96fec89993 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年2月20日 18時