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キスの先にはいかない 国木田 独歩 続き ページ19

国木田side
バカ…。

それは奏の方こそだ。

俺は、奏の事を思ってだな。

何度も、奏を襲おうとはしたが、やはり順番を間違えるのはいけない。

俺は奏を探しながら頭の中でそう自分に言い聞かせていた。

あいつに、ちゃんとプロポーズをしてからと…。

奏はどこにいるのだろう。

探偵社に行ってみるか。

探偵社に行くと、案の定いた。

だが、少し違っていたことがある。

それは奏が泣いていたのだ。

「国木田さんのバカ。太宰さんの嘘つき。」

声をかけれなかった。

何で太宰の名前が出てくるのだろうか?

「私じゃダメなのかな。こんなに好きなのに。」

そう切なそうに奏が言った。

「やっぱり、理想とは程遠い私を選んだこと後悔してるのかな?」

「違う!俺はお前だからだ!」

気がつけば声に出していた。

俺の存在に気づいて、奏がびくりと肩を震わせた。

「国木田さん、本当ですか?」

「そうだ。お前にまだ何も言っていないだろうが!!」

「え?なにもって?」

きょとんとする奏を、俺は引き寄せる。

そして、手をとった。

「俺と、結婚してくれるか?」

本当は、今日渡す予定で家で渡したかったのだ。

「え?」

顔を赤くさせ、奏は目を見開いていた。

その視線の先には、銀色に光る指輪がある。

「ああいうことはだな。きちんと籍を入れてからにしろ。」

「だって、国木田さんが何もしてくれないから…。」

涙目の奏に、くらりとくるがダメだ。

まだ籍を入れてないんだ!

「お前は人の気も知らずに!」

「えぇ?国木田さん?」

余りにも、奏が可愛くて俺は深いキスをしてしまう。

「んっ…、国木田、さん。」

「あー!しまった!なんて事をしてしまったんだ!」

籍も入れていないのに、手を出してしまった…。

俺の理想が…。

「嬉しいです!」

そう笑顔で言われてしまえば、まぁいいかと思ってしまいそうになる。

奏のせいで、俺の理想は崩れ去り奏が理想の女性になってしまっていた。

「早く籍を入れろ。」

「そしたら、キス以上の事をしてくれますか?」

こてんと、首をかしげて聞いてくる。

それだけでも、またキスをしたくなってしまうのだ。

「…、籍を入れてからだ。」

「国木田さん、大好きです!」

その笑顔に負けて、また深いキスを先程よりも長くしていた。

そのあとも、自分の理想と、理性と本能とで闘うのであった。

俺じゃダメか? 織田 作之助→←キスの先にはいかない 国木田 独歩



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彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» ありがと (2017年3月20日 17時) (レス) id: 81cc73b64b (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - 彼岸花さん» はい。 (2017年3月15日 23時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» え、本当ですか!? (2017年3月15日 23時) (レス) id: 96fec89993 (このIDを非表示/違反報告)
桜唄(プロフ) - 彼岸花さん» 済みません、もうはずせてようですよ? (2017年3月15日 22時) (レス) id: 920de4e9ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸花(プロフ) - 桜唄さん» やってみます! (2017年3月15日 22時) (レス) id: 96fec89993 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸花 | 作成日時:2017年2月20日 18時

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