其の9 えぇ今、仕事でして ページ10
___爆発音が響き渡る。
どうやら、序のお仕事も終わったようだ。兄ちゃんは仕事が疾いぜ。
俺は携帯を取り出し、兄ちゃんにかける。
『若し、兄ちゃん?』
芥「Aか、終わった。次は?」
にやり、と電話越しに嗤う。
『本命といこう』
◆◇◆◇◆
谷「アハハ、それは脅されましたねェ」
敦「笑い事じゃないですよう!
兇悪なマフィアとか、直ぐに死ぬぞとか……
途んでもない処に入っちゃった」
谷「まァまァ、ボクでも続けられてる位だから大丈夫ですッて」
これから起こることなんざつゆ知らず、三人はダラダラと喋りながら往く。
樋「着きました」
そこは、薄暗く鬼魅の悪い処であった。
谷「……おかしい」
そう、そこは、臆病な無法者が取引する場所としては余りに向かない。
そこには逃げ道がないのだから。
そう、入ってきた処以外には。
樋「その通りです。
失礼とは存じますが嵌めさせて頂きました。
私の目的は、貴方がたです」
シャツを緩め、髪を纏めあげる。
彼女は其の儘電話をする。
樋「芥川先輩?
予定通り捕らえました。これより処分します」
谷「芥川……だって?」
芥「重畳。五分で向かう」
◆◇◆◇◆
国「おい太宰、いい加減仕事を___」
振り返った先には先刻までソファで寝そべっていた奴の姿は既に無く。
国「___あれ?」
◆◇◆◇◆
『ふぅむ、中々遣るね』
俺はビルの屋上に立ち、真下に拡がる残酷な光景を見遣った。
姉ちゃんが放った幾つもの弾丸を背に受けて、学生服を着た娘が倒れている。
あれは確か、そこの『細雪』遣いの妹かな。
『ありゃ、姉ちゃん……』
姉ちゃんの首を絞める彼の後ろに、黒い影のような男が近付く。
芥「____羅生門」
災厄が、きた。
俺は兄ちゃんにこっそり付けていた盗聴器で噺を聴く。
芥「お初にお目にかかる。僕は芥川。そこな小娘と同じ、卑しきポートマフィアの狗……」
樋「芥川先輩!!
ご自愛を! 此処は私ひとりでも!!」
パシン、と乾いた音が俺の処まで聞こえる。
兄ちゃんは姉ちゃんに叱責する。其の様子を呆然と見ている1人の少年が。
『……成程。二人には及第点をあげよう』
俺は盗聴器を外し座り込んだ。
芥川兄ちゃんと敦さん、二人は何かを話す。
敦さんは絶望した様な顔をしている。
すると彼は突然、落ちていた銃を掴み、兄ちゃんへ向かった。
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衣紋(プロフ) - 有栖さん» お読みいただきありがとうございます!!後々にわかりますので楽しみにしていてください! (2018年4月6日 19時) (レス) id: d3938a972f (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - 過去に何があったのかが、気になります (2018年4月4日 17時) (レス) id: e7a3c43521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衣紋 | 作成日時:2018年2月1日 21時