其の8 仕事、だね ページ9
『さて、そろそろ見に行きますか。
クッキー美味しかったです。また買っておいてください』
首領は苦笑し、缶の蓋を閉じた。
森「行ってらっしゃい。最近は外に出る機会が多くなったねえ」
『俺が外に無頓着なのと、条件のひとつでしたからね。
あ、首領今回のこと怒らないでくださいよ？』
森「いいだろう、楽しんできなさい」
Aはにこにこと手を振り、軽やかな足取りで出ていった。
◆◇◆◇◆
『矢張りバレてたかぁ、お楽しみのためにこうした事』
エレベーターの中、独りぼやく。
能力を遣っていないのは本当だが。
芥川兄ちゃんと樋口姉ちゃんは無事かな？
チリン、と音がした。
「着きましたよ」
『ありがとう！』
見に行かないと、行けないや。
◆◇◆◇◆
所変わって、探偵社
太宰が依頼をしてきた女性、詰まりは樋口に口説き、ぶっ飛ばされた後である。
樋「それで......
依頼というのはですね、我が社のビルヂングの裏手に......最近善からぬ輩が屯している様なんです」
谷(普通に再開した……変人慣れしてンのかな)
谷「善からぬ輩ッて云うと？」
樋「分かりません。
ですが襤褸をまとって日陰を歩き、聞き慣れない異国語を話す者もいるとか」
太宰を締め上げていた国木田が戻って来た。
国「そいつは密輸業者だろう。
軍警がいくら取り締まっても船蟲のように湧いてくる」
樋「ええ、無法の輩だという証拠さえあれば軍警に掛け合えます。ですから」
国「現場を張って証拠を掴め、か......」
国木田は噺を聞いていた敦に声を掛ける。
国「小僧、お前が行け」
敦「へッ!?」
国「ただ見張るだけだ。初仕事には丁度いい」
敦「でっ、でも」
国「谷崎。一緒に行ってやれ」
◆◇◆◇◆
カチコチと固まり、準備をする敦に国木田が話し掛けた。
国「おい小僧。
不運かつ不幸なお前の短い人生に些かの同情が無い訳でもない。故にこの街で生き残るコツを一つだけ教えてやる」
そう云い、1枚の写真を見せた。
国「こいつには遭うな。遭ったら逃げろ」
写っていたのは、芥川だった。
同時刻＿＿＿＿
と或る交番に、1人の男が入ってきた。
「ゴホッ......道に鞄が落ちていました。
遺失物かと」
警1「ああ落し物ね
じゃあこの書類に詳細を＿＿」
警2「おや？ あんた何処かで……」
その男、芥川は、
芥「流石もう看破なされたか。
矢張りこの街の軍警は頗る優秀だ」
其の9 えぇ今、仕事でして→←其の7 少年、という人物>>1
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衣紋(プロフ) - 有栖さん» お読みいただきありがとうございます!!後々にわかりますので楽しみにしていてください！ (2018年4月6日 19時) (
レス) id: d3938a972f (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - 過去に何があったのかが､気になります (2018年4月4日 17時) (レス) id: e7a3c43521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：衣紋 | 作成日時：2018年2月1日 21時
