十二色の薔薇を君に 【ヒプノシスマイク】

異色な彼女 【飴村乱数】 ページ7

乱数くん、少しだけですがゲスが出ます。ご注意ください。

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「乱数ちゃーん！またご飯誘ってねー！」
「あ、私も私もー！」
「うん！また一緒に遊ぼうねー！」

パチン、とウインクをしながら言うと、群衆の中からキャーッと、歓声があがる。
これも、いつものこと。

今まで、女の子で困ったことはなかった。
目についた女の子は、正直全員堕ちたと思う。

でも、そういう子っていうのは全員、本気の愛なんて求めていない。
どうせ、カッコよければ、誰でもいいと思っている。

僕の周りにいる女なんて、どうせそんなもんだ。
そう、思っていた。


だから――。


「あ、あの！飴村さん、これ、受け取ってください！」

だから、彼女は少し、異色に見えた。
路上で急に花束を差し出してきた彼女。
過去にも、手紙だとか、プレゼントだとかをいつも渡してきてくれる子だ。
驚きで思わず固まってしまったが、すぐに笑顔で、こう返す。

「うん、ありがとー！」
すると彼女は顔を真っ赤にしてどこかへ走り去っていった。

「って、ことがあったんだよねー！」
「はぁ…、まあ他の女性と変わらないような気がしますが…」
「お、その花ってのがこれか？」

事務所にきた幻太郎と帝統にそのことを話す。
花瓶に生けた花を、帝統が綺麗だなー！と言いながら撫でる。

すると、幻太郎がふと、何か気づいたような顔をして口を開く。

「これは…。…なるほど、確かに、乱数が今まで関わってきた女性とは、少し違うのかもしれませんね。」
「はあ？お前さっきまで、他の女性と変わらない、って言ってたじゃんかよ。」

帝統が不思議そうに首をかしげる。
幻太郎は帝統と同じく、花瓶に近づいて、花を見ながら口を開く。

「いえ、黄色だったので、てっきりFling Posseになぞらえたのかと思っていましたが、その中に一本赤いバラ…。フフッ、随分洒落たことをする方なんですね。」
「なになにー？どういうことー？」

小さく笑う彼に、意味を訪ねてみる。
すると彼はまた笑ってその言葉の意味を教えてくれた。

「…ふーん、そうなんだ！」

もしかしたら初めてかもしれない。心の内を読まれたのは。
前から少し気になってはいたけれども、面白い子みたいだ。

もしこの先彼女と出会うことがあれば、その時は、まだ棘のついていない、未熟なバラでも渡してみようか。









【黄色の薔薇の中に赤い薔薇】…「あなたがどんな不実でも」
【まだ棘がついていないバラ】…「プラトニックな愛」

とんでもない嘘 【夢野幻太郎】→←好きなところ 【毒島メイソン理鶯】

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