一生、この先も 【伊奘冉一二三】 ページ22
0077さんからのリクエストです！
遅くなって本当に本当に申し訳ありません！！
ーーーーー
ピンポーン
軽いその音が、また家中に響く。
恐る恐るドアの前まで行き、ゆっくり扉を開く。
「い、いらっ、しゃい...。」
「一二三くん...こんにちは。」
一瞬悲しげな顔をするも、すぐに優しい笑顔をこちらに向けてくる彼女。
しかし、悪意皆無のその笑顔でさえも、俺には恐怖でしかない。
「今日は、ドア、開けられたね。」
「う、うん...。とりあえず上がって...。」
声が震える。本当はこんな風に彼女には接したくないのに。
こんなことが習慣になったのは、3年も前のこと。
俺がホストになってから1年も経った頃。
ホストの俺はとある女性に恋をした。肌が白くて、髪が長くて、指が細い女性。今、俺の目の前にいる彼女。
彼女も俺のことを好きになってくれたらしく、出会って数ヶ月で告白をされた。
ものすごく嬉しかったが、俺じゃ彼女と付き合えない。こんな、女性恐怖症の俺じゃ。
そんな思いを彼女に伝えると、彼女は俺に恐怖症を治す練習を手伝うと言ってくれた。
それで今、こんな風になっている。
しかし、3年経っても、俺は未だこんな状態だ。
「それでね、その先輩ったら...って、一二三くん？」
「え？」
会社の話をしていた彼女は、こちらを見て目を見開いた。
「なんで、泣いてるの？」
「え...。」
頰を触れると暖かい液体。
そうか、昔を思い出して俺、泣いてたんだ。
そう彼女に伝えた。俺が不甲斐ないせいで...。そんな思いと共に。
すると、彼女は悲しげに微笑んだ。
「あのね、一二三くん。私今日、あなたに渡したいものがあるの。」
そう言って彼女は、紙袋から、花束を出し、俺の膝に置いた。
「白い枯れた薔薇...。意味は、わかるかな？
私ね、一二三くんのためなら、なんだってできる。
一緒に、一生をかけて克服しよう。」
一生。それは一体どれほどの長さなのだろうか。
3年。たったそれだけで、ここまでは縮まったんだ。
一生あれば、いつかーーーー。
俺と彼女の距離がまた数センチ、近くなる。
【白い枯れた薔薇】...「生涯を誓う」
リクエストを募集します！→←大好きでした 【山田一郎】【山田二郎】
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桜月花(プロフ) - 蒼桜さん» コメントありがとうございます！本当ですね、ありがとうございます。直させていただきます！ (2019年6月2日 14時) (
レス) id: ab99525799 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - いつも楽しく拝見させてもらってます。独歩の話の中で【チグリジア】が【チグジリア】になってます。 (2019年5月5日 15時) (レス) id: d562e64b61 (このIDを非表示/違反報告)
桜月花(プロフ) - 0077さん» リクエストありがとうございます！書かせていただきます！ (2019年3月9日 21時) (レス) id: ab99525799 (このIDを非表示/違反報告)
0077 - 初リク失礼します！！一二三さんのお話で女性恐怖症が克服できてなくて…みたいな感じのお話がほしいです！！ (2019年3月9日 17時) (レス) id: 7491c8000a (このIDを非表示/違反報告)
桜月花(プロフ) - 半分ニートガールさん» そうだったんですか！ちょうど推しをかけて良かったです！また何かありましたらぜひ、よろしくお願いします！ (2019年1月22日 18時) (レス) id: 8714acda80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜月花 | 作成日時：2019年1月19日 20時
